2017年10月21日 AJCC会場にて

あの日からもう一ヶ月が経過した。
AJCC（オールジャパンクルーコンテスト）の戦いも、地区本部代表戦までやってきた。
今日は生憎の雨模様。
台風に刺激された秋雨前線で、会場である16号相模原店も冷たく濡れていた。

※雨天で撮影困難なため駄目ショットでご勘弁

会場入りしたのは朝9時半。
観戦のベスポジを押さえようと思ったが、前回以上に「関係者」が多くて良い席は取れず、隅の席に座った。
この店はとても広い。
収容力があるから、ことフロアサービスについては、この広さを活かすことが重要だろう。

今日は全４チームの戦いだ。
どんなプレーを見せてくれるのだろうか。

もうここまでの上位戦ともなると、出場者も顔から、全身から、オーラが漲っているような気がする。
きっと良い仕事をしてくれると期待感が膨らむ。
と、そうこうしているうちに、前回絶賛したSTARがフロアーを廻りだした。
スタートだ。

このSTARは圧倒的に「声掛け」のスキルが高い。躊躇なく、スッと歓談の輪に入り込み、一人ずつ丁寧に声掛けしている。
もうポジションに就いた瞬間からひと廻りして、客の様子を頭にインプットしているようだ。こうした状況把握は後で廻る時に生きてくると思う。
去年もそう思ったが、STAR、フロアサービスは、やはり客とのコミュニケーションの機会点として、積極的な声掛けができると有利な印象を受ける。
フロアサービスの本分は「御用聞き」だと思う。
着席している客がこうしたいとか、ヘルプを求めているとか、考えていることを、その場でお聞きすることで、満足度を高めていく。
目配せ、声がけ、あとは気付き、これが地味でもスタンダードなことだと思う。

OTキャッシャー部門は、意地悪い絡みをして腕試しをした。
そもそも各チームそれぞれにオーダーを受けていたので段々とお腹がいっぱいになっていくので、その時々で適切なサジェストをお願いした。
各人とも良いサジェストをしてくれた。
良いサジェストとは、ただ商品を勧めるのではなく、自分の感想を添えるというものだ。
なんというか、ちゃんと説明してくれると、断りづらい空気を醸すし、いい意味で安心感を生む。
一見タイムがかかる事のようだが、ヘタなタイム稼ぎよりも効果的なように思う。
あと、今日気になったのは、釣銭の「包み渡し」をしてくれるクルーの存在だ。
言葉以上に「気遣い」を感じる良い接遇のような気がする。

そういえば今回はOTキャッシャーに男子の姿が無い。
前回素晴らしいメンズSTARに出会ったのに、少し残念だ。
フロアーの戦いの面白さは、オリジナリティや工夫にあるが、今日はこれに度肝を抜かれた。

みんな知っているカウンタークロスだ。
なんとあるチームのフロアサービスが、手提げ袋を持って、これを配布していた。
これは初めてで斬新だが、クレンリネスに対する強いこだわりを感じることは他にもあった。
アイドルタイム時に、店のドア付近、少し手の届かないところを拭いているクルーもいた。
客の動員力が過多気味な昨今、客席の衛生面で私も問題だと思っていただけに、こういう「アプローチ」もまた、現場的な工夫を感じるものがあった。
クレンリネス番長といったところか。

こと客とのコミュニケーションにおいては、小道具をフル活用することがポイントだと気付いた。
KODOカード、シールや塗り絵、中にはカフェメニューのリーフまで。
何も無しでは会話が始めにくいが、機会点の発掘という点では、多くの小道具をウエストポーチやエプロンにしのばせて、スムーズに提供できるのは素晴らしい。
小道具という意味では、ひとり「手作り」の名札で参戦しているクルーがいた。
カラフルでアイキャッチな名札は、それだけでポイントも高いと思う。

最後のチームのフィードバックが終わる頃、あるクルーが涙しているのが見えた。
会場の主婦クルーに優しく支えられていた。
そういえば今季初めての涙。
精一杯やった出しきりの涙なのか、不完全燃焼の悔し涙なのか。
でも泣けるだけ本気になれたのは素晴らしいこと。
それを見、私も胸が熱くなった。

さて、今回はとても関係者が多い開催だったが、感心するところを目撃した。
関係者本部とでも言うほどに、大人数が集合し土曜ピークだというのに、大きく席を占有する状態にあって、あるエグゼクティブが「立ち食い」していた。
正直審査員の「無頓着さ」がいつも気になっていたが、混雑を察してか、サンキューボックスの側で、立ち食いする様は、見苦しいと言われるかもしれないが、私には顧客本位に見えた。

こうしてこの地区の戦いは終わった。
これからどの店の誰が表彰されるかは知らないが、地元神奈川の布陣に不足は無い。
全国戦が楽しみである。

2017年9月24日 AJCC会場にて

昨日に続き今日もAJCC観戦にやってきた。
今日はところ変わって神奈川県。
私の地元ということもあって、どんな優秀なクルーに出会えるのか、とても楽しみだ。

横浜線の矢部駅にほど近い「１６号相模原店」が今回の舞台。
初めて訪れたが、整備された街道沿いにそびえ立つ、大きな店舗だ。
到着するまでまったく気が付かなかったが、この店舗は「McCafe by Barista」併設店。
これなら長時間観戦でも色々オーダーできるしありがたい。
この店舗はユニークで、建物的に「二棟構成」となっている。

外から見るとひとつの建物だが、入口通路（写真中央）を仕切って客席が分かれている。
とはいえ、シームレスに利用できる。
という具合に、客席数も多く、四人以上に対応可能な席が多く設けられているので、これはフロアーを大いに活かした良い勝負が期待できそうだ。
観戦席はカウンターの斜向かいになったが、フロアーの動きも同様にウォッチできて良い感じだ。
バミリしたところ抜けもいい。

そして６チームの審査が開始された。

私が観られるのは外側の部門だけ。
昨日の滋賀の記事にも書いたが、実際には客と関わる部分がとても大事なので、私はここを重要視している。
動画でも雰囲気が伝わっただろうか。
雰囲気としては「静」だろうか。あまり元気にという感じでは無い。
でもそれぞれに「上質」であり「個性」が光る。
AJCCの審査は、型にはめず、もっと個性を尊重してほしいので、それぞれのクルーがどう審査員の感性に響くのか。
その一つひとつの工夫が、店を、マクドナルドの品位を高めたいという思いが込められたものだから、ぜひ評価してほしいところだ。

フロアサービスは、正直抜きん出たSTARを見つけてしまい、いつものKODOカードを求めたところ、即支給してくれたので、このSTARはたぶん優勝すると確信。
そのSTARが素晴らしいと思ったのは、店内を存分に活かした接遇だ。
客への声がけをとても積極的にしている。
しかし、それは他のSTARもやっていることなのに、なぜかそのSTARは光るものがある。
その違いとは何だろうか。
私が思うところでは、おそらく立ち振る舞いの「キレ」が違うように思う。
細かいことを書くようだが、抑揚無く冗長的に動くよりも、歩く、お辞儀する、話しかける、これらのアクションをそれぞれに「堂々」とやっている。
小気味よく快活な動き方は、おそらくとてもクリアな印象を与えるのかもしれない。
同じ事をやっても、その方が得をするだろう。
中央林間店のSTAR、山本さんは大変素晴らしいものがあるなと思った。

動画内でも登場するが、STARエプロンのポケットをフル活用しているのは初めて見たがとても良いアイデア。
何かを客から求められたときに、サッと取り出せるようになっていて、お待たせしなくても済む。
よく考えていると思った。

昨日の滋賀、そして今日の神奈川に共通して感じたのが、「メンズSTAR」の存在感だ。
今日もオーダーテイカーとして一人メンズSTARが出場していたが、なんだろう、女子には無い男子特有のホスピタリティがある。
女子の場合、どうしても「かわいらしさ」が魅力になるが、男子の場合は、かわいいとは違う何かがある。
私は男性だが、メンズSTARに笑顔にさせられてしまった。
これは意外な発見だ。

あと、オーダーテイカーキャッシャー部門については、昨日記事にした「元気」とはまったく逆の個性を売りにしているクルーも気になった。
元気が正しいのか、静が正しいのか、優劣の問題では無いかもしれないが、それぞれに良い部分があると思うし、そこをマクドナルドの中枢として、どう捉えているのか気になった。
コミュニケーションのスタイルはとても重要だと思う。
単に市民性の違いなのかもしれないが、神奈川は静かなスタイルなんだなという印象を持った。
決して悪いということではないが。

書きたい事は山ほど有るが、最後にもうひとつ。

KODOカードの空欄に名前を書くか、タイトルを書くかという点について。
私の個人的な考えでは、KODOカードを求めたら、ぜひそのクルーの名前を書いてほしい。
なぜなら、その時間帯の同じタイトルのクルーが評価されたり、ニアミスしてしまうと思うからだ。
例えば山田花子さんなら、”YAMADA”とさえ書いてくれれば良いと思う。
フルネームはさすがに…と思うクルーもいるだろうから。
やはり「評価」というのは、本人にダイレクト感をもってしてあげた方が、効果が大きいと思う。
「赤い服を着ていた」だけでは、数名の誰かになってしまうので、頑張っている人が報われない。
また、指名した方が、他のクルーにもいい刺激を与えるはずだ。

<画像は昨日のAJCCでTANIMOTOさんから頂いたがSTARと記入されている>

そうだこれも書いておきたい。
今日の舞台である「１６号相模原店」の自店舗クルーの良さも光っていた。
店長やMGRのクルーとのコミュニケーション、各クルーのポテンシャルは、選手ではなくサポート役でありながら、なかなかいい仕事をしていた。
そういう意味では、この店の良さを実感し、日頃の品質も窺い知れるものがあった。

AJCC神奈川勢は、神奈川県民である私にとっても今後の成行きがとても気になる。
次の戦いもぜひ見届けたい。