注目

マクドナルドのバカッターから学ぶこと

宣誓。
マクドナルドが好きだから。
私は不本意な客を徹底的に貶します。

…という事なのだろうか?
下品で悪意に満ちたツイートをする事で悦びを感じているバカッターの数々をここに紹介しよう。
また本記事は当事者の名誉のために画像処理をさせてもらった。もっとも当事者がツイッターで公開的にしている事なので名誉が傷つけられるとは思わないが。

20180321A
「ハゲを中心に地球は回っているのか?(爆笑)
そうは思わないが、ハゲ発言は撤回してほしいものだ。
私はハゲではなくボウズであるし、仮にハゲだったとして、身体に関する批判は一人の人としてやるべきものではないだろう。
マクドナルドは客人に薄毛の者がやってくるとハゲと言うのだろうか。
まったくハゲ発言の豊田真由子元議員もビックリだ。
「変な宗教の教祖?()
何をもって教祖だとお感じになるのかは理解に苦しむところだが、仮にも宗教人だったとして、他人の信仰、宗派、それに準ずる点を批判する立場には無いだろうし、宗教の自由は日本国憲法で定められた国民の権利だという事は学校で習わなかったのだろうか。

客人(私)に対するマクドナルド従業員の意見がこれだ。
前回のこの記事にも書いているが、この者もマクドナルドの「マネージャー」のユニフォームを着用して、自身の身分を「あえて」明かしての物言いである。
こういうのを見聞すると、マクドナルドの人って顔で笑って、心の底ではこんな事をいつも考えて店先で客と向き合っているんだなと思ってしまう。
ハンバーガーショップの店長代理とはどれだけ偉いのだろうか。こうして社会を俯瞰した物言いができる事が驚きでしかない。

20180321B
「貴様はマクドナルドの従業員のお尻を見てるんだろ!」
という客人に対するマクドナルドクルーの発言。
ちなみにツイート内の「スター」とは職制を指し、赤い制服を着用したクルーの事だが、何故にスターのお尻に限定したのかは謎だ。
悪ノリが過ぎるが、こういう品性のカケラもないお子様には何を言っても仕方がない。
ちなみにこの者は、日々客人のツイートを逐一拾っては、スクリーンショットで本人に知られないよう画面引用で下品な言葉を駆使して貶すことで、己の言論に陶酔している。
正直、私はこのクルーに会った事も無ければ、店に行った事もない。つまり全く無接点なのだが、それでここまで他人批判できるのは、ある種の才能である。
現在、こういった「客への悪口」に従業員同士「反響し合う」というのがトレンドになりつつある。ツイートが寂しくて、結局他人批判をすれば反響があるところに楽しさを見出してしまうようだが、これは忌々しき事態だ。

私から言わせてもらえれば、マクドナルドの従業員が、部外者である者に対しこういう発言を平然としてしまうところに恥ずかしさを感じないのかということだ。自分はマクドナルドを代表してお気に召さない客人を皆(クルー)の代表として非難攻撃しているんだという気分なんだろうが、その使命感に燃える行為は、至極正常な感情の持ち主であれば、どれだけ歪み、常軌を逸しているかがわかるだろう。一部共感を得た仲間内からは褒め称えられるだろうが、そういう悪ふざけこそ、全国のクルーに迷惑をかけている事実、本質を理解できていない。
正直、仮に客が従業員の尻を見たからといって、何なんだろうと思うし、お尻を見ていたという勝手な妄想話で客人の信用を毀損するというのは、どこかこうサイコパスな印象を受ける。

この者は悪事がバレた瞬間にアカウントを削除(先のハイヒールのプロフ画像のアカウント)し、新たなアカウントを拵えて証拠隠滅を工作しているが、ツイッター社は過去のデーターも全て保存しているし、令状をとれば簡単に記録を取り寄せられる。それをもって、これから時間をかけてしっかりと求責していくことになるのだが、本人は「消せばバレない」程度にしか考えていないのだろう。

極め付けはこれ。

20180321C

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あるマクドナルド元店長のアカウントと、先の者は繋がり、このような発言を公開している。
元店長については、ここで「名誉毀損」などと発言しているが、法律をしっかり解釈しているのだろうか。
因みに刑事告訴されるというならご自由になされば宜しい。刑事、検察官も馬鹿じゃない。事件になったとして、しっかりとした証拠調べをするし、この者たちの日々の発言、行為は全て「裏」をとられる。
そして事件は公開裁判でその証拠も明かされる。自分たちの事は調べられないと思ったら大きな間違いだ。

その「裏」について説明する。
こう常識人然としているが、実態には驚きを禁じ得ない。
実は私のフォロワーから、この元店長に関する「苦情」をいくつももらっている。
と言うより「この人大丈夫ですかね?」という確認だ。
ツイッターで苦情?と思われる方もいるだろうが、話を聞いてみると、なるほど納得がいく。

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これは私に届いた「元店長」からのツイッターへのフォローリクエストだ。
本人の名誉のためにここでは割愛するが、ある性格に恐怖を感じて、私は彼のツイッターをブロックしていた。
常識のある者なら、ブロックされたことを知っていたなら、あえてフォローリクエストはしないだろう。嫌われているのが目に見えている。
しかし元店長はそうではなかった。嫌われているのにフォローリクエストを、社会人なら忙しい朝の6時からしてくるという。
そして、私のもとに届く「苦情」とは、まさにそれだった。
※コリラックマさんについては「あえて」画像処理をしていないが、その理由はご想像にお任せする
「気持ち悪くてブロックしたらフォロリクが来るようになったので怖い」

一人二人の話なら、看過ごされるかもしれないが、かなりの数そういう問い合わせがあると、さすがに疑念を抱かざるを得ない。
その元店長のツイッターアカウントは、元々は過疎状態にあり、ほとんど機能していなかった。しかし、私のフォロワーとなり、その後ありとあらゆる私のアカウントをフォローした。そこで何をしていたかだいたいの察しはついている。
現在、元店長のフォローは数千件にまで膨らんだ。そしてそのほとんどが「マクドナルドクルー」であり、そのフォロー獲得のためにはブロックしていようが、お構い無しのアタックというのには、ある種特別な執拗さを禁じ得ない。
元店長については、現在違う商売を営んでいる。しかし、退職しても尚変わらないマクドナルドへの愛社精神か、何かこう狂騒的になっている印象を受ける。そしてそれが意味するものとは何だろうか。
私なら元従業員として過去に勤めていた会社の従業員のツイッターアカウントを執拗に探し、朝の6時から、しかもブロックされてる相手に対してフォローリクエストする事は、まず無い。
因みに、紹介した画像は全て、この者たちをマクドナルド関係者(或いは元関係者)として良く思わない方々からの情報提供である。即ち常識人然としているが、こういうところが社会通念上全く認められていないことを意味している。

元店長については他にも様々な情報が私の元に届いているが、そこはせめてもの慈悲心で割愛する。

マクドナルドという会社のいちばんの売りとは、「人」である。ピープルビジネスと言われるほど素晴らしい人材育成の風土があり、他の飲食には見つけることができない「いい顔」が揃い、それが同社を支える最大の武器だった。
今はどうだろうか。
マクドナルドという大きな樹の下にいると、世の中を俯瞰し、ここまで客を見下すようになるのだろうか。よく出るフレーズに「アンチ」とあるが、それがどこを指すのか私には分からない。まさか酷い品質の画像を見たときに、それが正しいと思い込んでいるのだろうか?
質を高める向上心の前に、意見する事に不快感を露わにし、揚げ足取りの言論に悦びを見出すという。
ピープルビジネスはとうとうここまで堕ちた。

そして先のケースの執拗かつ陰湿なバカッターの存在に、私のフォロワーが怖がってしまった。それでは本末転倒なので、私がツイッターを辞める事で事態の収拾を図った。

マクドナルド的な〇〇というひとつのアイコンは、今まで多くの従業員から愛されてきた。それは売り手側ではなかなか分からない事を聞けるからと、多くの方々に感想を頂戴している。マクドナルドでは感想や意見のことを「フィードバック」と言うが、多くの従業員は私の臨店にフィードバックを求め、商品、接遇、店作り、コンクールのヒントなどを貪欲に求めてくれる。
人間だから、中には本件のように「雑味」に感じるだけの者もいる。私だってネットを見るときには、情報の取捨選択はする。しかし問題は「見たくもないものをわざわざ見て難癖をつける」という精神だろう。それこそ「マクドナルドが嫌いなのに店に行き一挙手一投足に難癖をつける」というクレーマー然とした行為ではなかろうか。
バカッターとは、つまるところ他人批判でアンチ呼ばわりしているが、実は自身がアンチなのである。

今やどんな会社にも「SNSガイド」がある。
「会社の方針によるものか」
「良心によるものか」
「顧客が見たらどう思うか」
ことUSBメモリーやノートパソコンに機密文書を保存し、それを外出先に忘れてきたなどという、会社として「致命的」なトラブルを防ぐ事を重要視している背景もあるが、ことSNSについては、裏の顔として、その企業に属する会社員の「素性」を示すリスキーさを孕んでいる。
現職のクルー、元店長、そういう肩書を示すのは、つまりその企業の姿勢であると思われる事は間違いない。

  • 販売成績を漏らす
  • 店にクレームを言ってきた客を貶す
  • 客をスクショで貶す
  • 次の商品の情報を漏らす
  • デリバリー端末の画面を晒し客の自宅の住所を漏らし逆クレームを吐く
  • 店の仲間を顔写真入りで侮辱し晒す
  • 執拗にフォローリクエストをし恐怖感を与える

これらの行為が果たして「良心によるもの」と言えるのだろうか。

しかしこうも荒れてしまうマクドナルドクルーの言論については、私なりの解釈がある。
多くの企業が製作する「SNSガイド」だが、ただ「書き込み禁止」という言葉に帰結していない。その中身は「猿でもわかる」ようになっている。実例をもって、結果的にここまで大きな問題になるという点までマンガのように説明している。中にはイントラで動画を見てテストをする企業もある。
同社では、入職時に「SNSに関する規約書」にサインをさせるそうだが、それではおそらく「理解」できていないのかもしれない。
考えてみれば、バイトクルーは学生や未成年がほとんどだから、小難しい規約書の事なんて忘れてしまうだろうし、そもそもツイッターなんていう場所に「礼儀」という言葉は無いだろうから、自由奔放になってしまいがちだ。

学齢では知らない事が多い。
また10代後半では社会経験も浅く、中にはまだ反抗期の者もいるだろう。
大人になり、新卒で入社する時の「ITリテラシー」と比べると、かなり未熟であるとも言える。であれば、尚のこと「禁ずる」という言葉ではなく、もっと具体的な表現で、バカッターについての理解を深める必要があるのではないだろうか。それこそ15万人の言論が一部の悪意あるツイッターに扇動され、汚染が拡大するとなれば、今着手しないととんでもない事態になるだろう。

「規約違反だから解雇」

という判断をするのが雇用主である企業だが、今のマクドナルドにはそれができない。何故なら年中人手不足だからだ。何を言いたいかと言うと、この問題の引導はもはや会社側にあるのではなく、従業員側にあるということだ。であれば禁じるばかりではなく、じっくりと教育をし、適切なチェック体制も確立しなければ、ゾンビ獲りがゾンビになりかねない。そしてこのまま勢力が拡大してしまうと、手の施しようが無くなることは理解に苦しまない。

消費期限切れ、品質問題、異物混入、そんな事よりもリスキーな問題が、今ここにある。
この小さな穴を放置すれば、いずれ船を沈没させる大きな穴に拡がっていく。

それにしても、驚きはここまで失礼千万で謝り一つしない企業だということだろう。
顧客に対する幾多の無礼は一般企業なら懲戒免職ものだ。社内調査無く、当然お咎め一つ無く、多くのコンプライアンス無視の言論を放置し続けるというのは如何なものだろうか。
名だたる一流企業として、ここまでコーポレートガバナンスが緩い企業を私は知らない。言い換えると、こんな事だから過去にも「一流企業」とは思えない不祥事を引き起こしたのかもしれない。
そう、今や本社は15万人のクルーに対して“uncontrollable”状態にある。

そういえば、先出の元店長は、私のことを本社のコンプラ窓口に通報するように、それを過激なお仲間に助長しているそうだが、そういう感覚もまた少しズレている。元従業員が現役従業員を囲い、個人攻撃を誘発する事は棚上げし、評論することを徹底的に叩き、それを通報しろというのは、見事に本質がずれている。まさに核心に迫らない経営の産物だろう。

かつての消費期限改竄事件の時のように、FC会社は従業員による問題発言の責任から、今後契約解除になるリスクを孕んでいる。もっとも、今回の当事者の人定は証拠保全上済んでいるが、直営店の従業員も含まれる。直営は営業権解除こそ無いだろうが、本国のブランドに泥を塗った罪は重い。
同社はもう少しステークホルダーとの向き合い方を再考した方がいいだろう。

今や企業とは、人の哲理を育む存在だ。金儲けよりも先に、「人」の内面に潜むモラルハザードをただ「伐採」するのではなく、仕組みを理解し、良心を育て、悪い行為と向き合わせる事。
それは子どもへの教育と同じ。駄目駄目ばかりでは反発し親の言うことを聞かなくなる。
他方でモラルと向き合い、考えることをさせると、本質を理解し間違う回数は減らす事ができる。

企業とは、従業員、人を育てる場所だ。

やりたい放題を放置するという教育もある事はあるが、それによりどう育つかは言うまでもない。

それにしても、JKを自称しているのに言ってることがおっさんのネカマ垢という、こんなぬいぐるみ爆弾さえも見抜けない。
マック垢で手当たりしだいフォローしてダークサイドと繋がってありとあらゆるプライベートを舐めまわされている事にも気付かない。
挙げ句の果ては、クルー同士繋がりたいのではなく、単なるナンパ目的の輩まで現れる始末。

よくもまあ無節操に見ず知らず、顔もネカマかも知れない相手を気軽にフォローし、自分の交友関係なりプライベートなりを公開するよなと思う。

何が言いたいかというと、人生なんて選択の繰り返しで、良くも悪くも人との「出会い」で決まる。どうしようもない人物と出会ったところで、良いインプットは生まれない。良いインプットが無ければ良いアウトプットも生まれない。

私の元には、良きサービス、店作りを求め、そういう向上心あるクルーが訪ねて来てくれるので、紹介したようなどうしようもない者は毛先ほど気にならない。

これからも気の向くままに、好きなだけ誹謗中傷されれば宜しいし、そういうものに快楽を覚えるならいくらでも連めば宜しい。

ただ、私やその仲間に危害を加えるのであれば、然るべき処置をしていくだけのことだ。

最後に。
客人をアンチと呼ぶクルーは、まさかこれが愛社精神だと思っているのだろうか?
そこを再考してほしい。

そして、こういう記事を書いてる今の私はとても悲しい。
本当はもっといい話を伝えたい。
楽しいね。
おいしいね。
今はそんな気持ちが欠乏している。

この記事の内容が気になる方はツイッターで「マック垢」を検索してみてほしい。様々な問題発言を目の当たりにできるだろう。

■2018年3月22日補足■

20180322A

言ってるそばからこんな具合だ。
ブログ記事を公開した翌朝に「コリラックマさん」からのフォローリクエスト。
この行為が示す意味について説明は不要だろう。

相当に執拗で捻くれている。
もはやマクドナルドに関わっていたという事を抜いても危険人物だ。

■2018年3月24日補足■

20180324A

どうだろう。これが素性だ。
至極「正常」な者ならこういったことはしないだろう。
まさか彼の言う「大人の対応」とは、日々執拗にフォロリクを入れる事なのだろうか。
偽垢にしても、しっかり令状を取り、証拠保全手続きをすればすべてバレる事を知らないのだろう。

青いマックの日はマクドナルド復活の日だったのか

久しぶりのブログ執筆となった。
というのも、ここ数年の記事を読み直して頂いてもわかる通りだが、この会社を取り巻く様々な出来事は、本当に冴えないことばかりだった。悪いことを悪いなりに記事にするのもあまり気分の良いものではない。そもそもこのブログを開始した時のスタンスとは乖離してしまっている。だから復活の兆しがあれば、その時にまた執筆しようと決めていた。

2022年11月6日

大々的な広告展開でご存じの方も多いと思うが、「青いマックの日」と銘打ち、DMHC(ドナルドマクドナルドハウス)のチャリティイベントとして、年に一度、たった一日だけ、ターゲットデイとして顧客と最も近い、各店舗でイベントを開催するというものだ。私も一ヶ月ほど前から、SNSのリスティング広告などで開催情報を知り、カレンダーには11月6日に印をつけていた。

世界中で”McHappy Day”はDMHCの認知を拡める一大プロモートだ

そもそも、日本国内においては、この全世界のマクドナルドが特別な一日として盛大に盛り上がるイベントに、ほとんど乗ってこなかった。
「コロナだったから仕方ない」と言うかも知れないが、それは言い訳だ。新型コロナウイルスが蔓延する前から“McHappy Day”は毎年開催されてきたが、日本では精々支給されたポスターを掲出する程度で営業もいつも通り行い、“McHappy Day”というチャリティイベントの持つ意義などは、もはや店の従業員すら意識するレベルでは無かった。そういう意味では、“McHappy Day”に類する(呼称として)「青いマックの日」を開催するという知らせは、過去のそれとは違い、惰性でするものとは違う意欲を感じるものとなった。

SNSが台頭する現在、多くの店が「青いマックの日」の準備を大分前から開始していることを知る。なんとなく店先にワンコーナーという細々としたものもあるが、中には、店全体をデコレートして、アイデアを凝らした「青色」を主体としたインテリアに変化していく様を見せていく店もある。今年は数時間で完成するものではない「趣向」を凝らしたものが多いように感じる。そして私は昨年までの「ポスターだけ」ではない「青いマックの日」のリアルを感じたく、ある店へのビジットを計画した。

マクドナルド平塚山下店ももうすぐR.O1周年を向かえる

神奈川県は平塚市に所在する「マクドナルド平塚山下店」である。
現在この店が、私の見てきた多くのマクドナルド店舗で最も優れていると感じていたからだ。
そう。ここ最近、私はマクドナルドに行くのが「怖い」のである。コロナ特需で爆裂的にインカムが上がり、反面でクオリティとホスピタリティは枯渇し、とてもゆったりと食事できる環境には無かったから、ヘタな店で気分を悪くしたくないから、間違いない店で…という思いもある。

昼前、店に着くなり、はみ出すほどの長蛇の列。これは異常な混雑っぷりだ。
そんな中で、混雑しピリピリした空気を柔和にし、さっそく入口付近で「青いマックの日」をアピールするGELと遭遇した。

気品溢れるGELによる青いマックの日のPR

賑やかでいいではないか!これこそ世界が一体的に行うチャリティイベントだ!日本だけが金儲けを優先するなんてダメだ。店内に入ればクルー達も統一したTシャツにマスクで、特別な日であることは一目でわかる。
それにしても昼時という事もあり、大変な混雑だったので、飲みものをオーダーして空いてくるまで人心地つけた。

爽やかなピーチフレーバーアイスティ

さて、今日のビジットだが、もうひとつ私の目で確認したいことがあった。
それは肝心な「食事」の部分である。何を言っているのかわからない。という方も居られることだろう。

私はこのブログでかれこれここ二年ほど唱えてきている事だが、「プロモーション(限定メニュー)が全然おもしろくない」という実態がある。それは私が個人的な感覚を述べているのではなく、様々なサーベイにおいても顕著であり、売り手も買い手も萎えている。まったく代わり映えしないプロモを連続させ、それが「当たり前」になってしまった。経営合理化策の中で、顧客本位ではない、どちらかというと「インナー(取引先含めた内輪)本位」へと推移し、食べもの屋にして食べものが不作という由々しき状況にある。

最後にピュアな新作をリリースしたのっていつだっけ?
そう思わせるものがある。このブログでも過去には「食べ比べ」を何度かしていたものの、今はまったくその兆しさえ無い。ところが、ついに数年ぶりとなる「ALL NEW」なサンドイッチを纏ったプロモが見参した!

突如現れた「時をかけるバーガー」は岡田准一さんを起用

「時をかけるバーガー」

歴代のFIFAワールドカップ™大会をイメージした3種類のバーガーが期間限定で10/26(水)から新登場!ということで、季間品である「月見バーガー」プロモ明けから、奇をてらう(褒め言葉)商品ラインナップを放ったのだ。

見た目のインパクトも然る事ながら、私が注目したのは「内容」だ。「UHC(Universal Holding Cabinet)寄せ集め」と揶揄してきた「ありきたり感」からの脱却だ。

バンズ(パン)もあまり見かけないものだし、挟んでいる具材も「使い回し」だけで構成してきたここ数年のものとは違う。いつも「味が容易に予想できる」プロモーションだったから、ここ最近は食べる意欲すら無かったが、久しぶりに「どんな味かな?」という興味も手伝い、前述の通り「間違いない店で賞味したい」ということで、もうひとつの目的とはズバリ新作バーガーの実食だ。

サイド無しで時をかけるバーガーを攻略する

店が程よく空いてきた13時過ぎに、さっそくオーダー。3個食べ比べなんて何年ぶりだろうか。
そして御年50歳だが、量的に食べきれるか不安だ。。。

こく旨かるびマックは唯一のボックスIN
バツグンのアピアランス

プロモの並びと同じ流れで食べていこうということで、第一弾は「こく旨かるびマック」からだ。
2002年のW杯を彷彿とするメニューなのだそう。唯一ボックスに収まっての登場。
正直これはあまり期待視していなかった。何故ならカルビマックは過去にも何回かやっているので、この商品は新商品ではないからだ。食べた感じはとにかくレタスの千切りの量が多い。まるでサッカーのピッチを思わせる(笑)。ただかるびフィリングはなかなか異色な世界観を出している。これはこれで悪くない。

ワイルドビーフバーガーはブラジル感ある個装ラップ
オニオンフライはカリカリ感足りずだが安定の旨さ

今回のプロモは本当に「開けるのが楽しみ」だなとワクワクさせるものがある。
第二弾は私の期待作「ワイルドビーフバーガー」。2014年のW杯を「イメージ」した作品らしい。過去にも記事を書いているが、2014年のプロモは大変勢いがあったのを思い出す。
個装はここからなぜかギフトラッピング。手が汚れないので有り難い。

まずは問答無用に旨かった!若干使い回し感はあるものの、オニオンフライとか食感で頑張ったのは評価できる。なんといってもサンドイッチは「平凡」よりも「斬新」であり、食感で無限大にレシピが想像できるという食べものだから、このぐらいのバリューで初めて「サマ」になる。ただ、チーズもどきの「謎ペースト」(これはアメリカンデラックスで使っていたものと類似)がなんとも不思議?微妙?普通にとろけるチーズで良くないか?という思いにはさせられたが、それ以外はバランスも良く最後のひとくちまで楽しめた。

ヤケドするほど熱いらしいケバブ風チキンバーガー
なんやかんやでこれが一番旨い

さあそろそろ満腹になってきた…持ち帰りで…なんて生易しい事は言いません(笑)。今日はなんとしても三個を完食しなければならない。

しかし最後となる「ケバブ風チキンバーガー」は割と楽しみにしていたもので、勇み足でラップを拓く。
こちらは2022年。今年のW杯はこんなかな?というイメージの元にセットアップされている。これ、食べるまで気が付かなかったのだが、チキンフィレがサンドされている。かつて問題を起こしてから下火になってしまい、ちょろちょろと希に登場する希少なチキンサンドなのだ。ビーフより優れているのは、何より「リッチ」に見えることだろう。ビーフパテだと「平板」なのだが、チキンの場合は厚みと衣の分でかなり得をして背高になる。薄いより厚い方がサンドとしては優秀であり、正義なのだ。

最後の一個は満腹での実食だったが、個人的にはこれがいちばん旨く感じた。その最大理由は「ハーモニー」である。先に触れた通り「食感」はありふれたものではないし、ソースとチーズ、具材の「味の共演」が良い。私の言う駄目プロモとは、ソースで味を誤魔化したサンドだ。言い換えるとソースの味しかしない。マクドナルドはソース屋になったのだろうかと見紛うほどに主張が強いソースが溢れる。しかし、弱めの味がブレンドされ、素材の持ち味を引き立てる。これは久しぶりの”DELICIOUS BURGER”だ。最後の一個は残すことなく胃袋に収まった。

お約束のゴミ山

マクドナルドは変わった。

この言葉は私の中でいつも悪い意味を込めた揶揄だった。それはいつも過去の黄金期を裏付ける本当の意味でのナンバーワン企業であったマクドナルドが、経営改革によって骨抜きになり、働く人々は、ただ忙しい中で効率ばかり求められ、ホスピタリティはどんどん排除されていく運命。藤田田時代を知る、原田泳幸時代を知る人々はどんどん去っていく。そういう意味での「変化」を総称する意味合いでの揶揄である。良い方向に流れる事がはたしていくつあっただろうかと、食後のパーキングに輝くゴールデンアーチを見つめて思うのだ。

ゴールデンアーチは一体何を想うのか

と、そこに白いクルマが入庫してきた。よく見ると同法人のオーナーが手を振っている。
アポイントをしていた訳ではなかったが、運良く会うことが出来、着席して対談できた。不思議な縁で数年前のAJCC会場で出会って以来、いつもどこかの店先で鉢合わせとなる。いつも現場にいるオーナー、そしてインナーでありながら、いつもアウターの姿を見つめるその姿勢に、私もいつしか「ミスターマクドナルド」として賞賛する存在となった。
私が日本一愛するマクドナルドにて、年に一度のイベントを感じ、希なプロモに舌鼓を打ち、そして今日こうしてラストにオーナーとの語らいがある。そこでとても良い言葉を聴く事が出来た。

「このままでは駄目だ。オーナー力を今つけなければならない」
「私たちはピープルビジネスのマクドナルドだから」

マクドナルドの氷河期の話をした。そしてそこで語られた言葉は、誰に対する怒りでもなく、自分たちに対する新たなる道しるべであった。
その後とんでもない経営改革の波が押し寄せても、未曾有の流行病が蔓延しても、脅威のバブルをこの期に感じていようとも、進むべき道は我々の手の中にあるということ。

そう。EOTFが開始された2017年。それから今に至るまで。こと私が居る「平塚山下店」は2022年の今日もEOTFがそこにあり、そしてうまく回り始めている。必死ながらも笑顔をくれるカフェブース。流石の二名動員された上質なGEL、安定した品質のサンドイッチ。クレンリネスを実践する若きクルー、跪きミスがあった顧客の元で、最後には笑顔になって頂くというSHMの姿、もっと言うと外で誘導する警備員まで。しっかりとEOTFと向き合えば、多客期にあっても顧客は笑顔になれる。地道に培ってきた土壌には新しい芽が生え、そして華が咲く。そのサイクルがあること。ただ冷え冷えした空間で、笑顔も無くひたすら作るだけの店が多い中で、こうして現在進行、進化系のEOTFが脈々と育ち、滾々と流れる河のように息づいている現実を、現場で感じることができた。

青いマックの日

今日という日はチャリティイベントだけれど、私の中には、ほんの少しだけ「マクドナルドが再起した記念日」と感じられる一日と成った。
そして思わずポーズをとりたくなった!

マクドナルド真の復活を少しだけ感じたオッサンのグーポーズ

しかし、依然として現存する問題はある。直営店はどちらかというと負のスパイラルに嵌まり、日々続々と押し寄せるインカムを「捌く」だけに帰結しているし、人々の悩みは尽きない。マクドナルドを支えてきたピープルは今の経営体質には異論を唱える。そして抜き差しならないEOTF。育たないストアは何故育たないか答を出せないまま、まるで幽霊船のように行方の無いクルーズを続けている。

勢いだけでは駄目だ。そして、POWER of ONEのようなプロパガンダでは駄目だ。今本当に必要なのは「オーナー力」のように思う。そして直営は「CEO力」というところか。確かに、今のCEOならなるほどと頷けるところもあるが、今後の展開に期待したい。

昭和生まれのオジサンなので「サラダ記念日」なんて言葉を知っているが。
今日は「マクドナルド復活記念日」として、日記に刻むとしよう。

マクドナルド過去最高益に一言

フェイスブックに執筆した記事ですが、こちらにもシェアします。
今のマクドナルドをしっかりと見分している私なりの意見です。

マクドナルドYouTuber誕生

2021年2月11日
東北新幹線のホームにて。

新型コロナウイルスはこの世から消え去ることはない。一生萎縮して生き続けるなんてあり得ないし、それなら対策をしっかりとした上で、ウィズコロナの時代を生きることを自ら実践していこうと思う。

このブログで多くの事を語ってきた私だが、2020年はステイホームでマクドナルドへの臨店機会は大幅に減った。しかし反面で、店に来て欲しいという連絡は今まで以上となり、私は自問していた。どうすればもっと皆と繋がることができるのか。事実、世の中は家にいる事が正しいとされているが、マクドナルドは営業している。鉄道は走っている。買い物だってできる。ならば何よりウイルスという見えない敵に対する知識をしっかり得て、対策をとればどうだろう。そうすることで外出することは間違えでは無かろうかと。そしてSNSでの活動を通じ、ピープルの「今」を伝えてきたからこそ、それを待ち望む人々には応えていきたいという想い。その答えは「YouTube」にあった。

YouTubeチャンネル”mToo”

はっきり言って、テコでも動かない今のマクドナルドの圧政に興味はない。そしてここで意見を述べたところで1ミリも変わらないのも知っている。しかし、私の関心事はそこではない。どんなに経営が偏り、人に厳しい企業になろうとも、客にいちばん近いところにいて、そんな企業を支えているのはピープルであり、そこに注目しないわけにはいかないのだ。また、私を囲ってくれるクルーたちは、自分たちの仲間の活躍に興味があり、またその好例を貪欲に求めてきてくれる。なんと嬉しいことだろう。

オジサンYouTuberとしてデビューした私だが、伝えたいことは明確だ。

  • 全国の素晴らしい店だけをリポート
  • そこを盛り上げる輝かしいピープルをご紹介
  • 努力の痕跡を見つける

そこに注目し、良いことだけを忠実に伝えていくつもりだ。他方で悪い事に興味は無い。何故なら、悪さもまた今顕著な問題だからだ。心が毛羽立ち、売上げ以外に興味が無い。客を敵ぐらいにしか思っていない。そういう悪辣な店もまた多くある。しかし、そんなことを報じても仕方ない。私たちは本当の意味でのポジティブを増やしていくことが肝要であり、アラ探しをしても仕方がない。

日本全国、行きたい店は数え切れないほどある。
そのすべてを楽しく廻りたい。そしてそこで見つける「良き」を賛嘆し、多くの仲間に伝えたい。
誕生したYouTubeのチャンネル名は「mToo」(エムトゥー)だ。
ぜひ、チャンネル登録をしてお楽しみを。

まったく冴えないマクドナルドの2020年

2021年元旦。新しい年を迎え、昨年を振り返りたい。
2020年もまた過去の記事同様にプロモが冴えなかった。

  • 季間プロモを盛大に誇張してプロモ期間を躱す
  • 数件の新商品投入も既存食材使い回し
  • 大物タレントを起用しそれらを誤魔化す
  • こと広告代理店の押し売りである木村拓哉氏を起用した宣伝は評判が悪い
  • 全体として冷凍食品を温めたものだけ
  • そういう意味では商品開発は外部のサプライヤー頼み
こうして並べてみても冷凍食品を温めたり既存食材を組み替えただけの粗悪なプロモが目立つ


商品から来る厳しい意見は私の独り言ではない。顧客からも、働いているクルーからも噴出している。

  • そもそもカリブレ(試食)すらしない〈クルー〉
  • いつかやっているプロモなので興味が無い〈クルー〉
  • 売っていても単純平凡でつまらない〈クルー〉
  • サジェスト(おすすめ)したくない。美味しくないから〈クルー〉
  • 似たようなアイテムが増えて入れ間違いも増えた〈クルー〉
  • そもそも今はマクドナルドに行かない〈顧客〉
  • サービスが向上したとテレビで放送していたが実感は無い〈顧客〉
  • エグチしか食べない。プロモに興味は無い〈顧客〉

ここ数年このような「躱したプロモ」が当たり前となっているが、その最大要因がここにある。それは「顧客を見ず自分たちしか見ない」経営方針に切り替わったからだ。

Fun Place To Go はどこへ

かつてマクドナルドとは「FUN PLACE TO GO」「すべてを、お客様のために」というコーポレートスローガンの元に日々営業をしていた。それは原田泳幸代表の時代の話だ。しかし、サラ・カサノバ氏に経営権が移ると、今度は「POWER of ONE」へと変わる。これは客向きではなく、労働者側の「結束」を意味するものだった。

POWER of ONE以降、もはや顧客主義ではない

サラ・カサノバ氏率いる新経営体制で、多くの「マクドナルドの良き」は廃止された。

  • 半世紀に亘り日本オリジナルのタイトルとしてあったSTAR(お客様係)の廃止
  • ドナルドアピアランスの廃止
  • STAR廃止を受けてフロアサービスそのものの減少
  • おもてなしリーダー(GEL)を開始したものの店にそれをする余力は無く実質的に未稼働
  • ユニフォームが作業着化しアピアランスとモチベーションが著しく低下
  • ピープルビジネスと呼ばれる人材育成のメソッドは完全に崩壊

結果としてマクドナルドから笑顔が消えている。それは、レイバー(労働者)も、顧客もだ。
私が運営しているインスタグラム(通称テキスタグラム)では、まさにその「FUN PLACE TO GO」を知るクルーが訊ねてきてくれる。そして過去の「マクドナルドの良き」を今のクルー達に継承してくれる。今のマクドナルドは、ひたすらに拝金主義である。客の満足度なんてどうでもいい。金金金で、テーブルの汚れ、提供スピード、クオリティへのこだわり、そういう顧客本位は消え失せている。そう。そういう意味では衝撃的な発言を耳にした。

これが現実だ

もはや客を歓迎していないという声である。しかし、私はそれほど驚いていない。何故なら、私自身それを肌で感じているからだ。だからこのブログでも紹介してきた店に足を運ばなくなったというのはある。お金を払ってまで厭な思いになるなんて馬鹿らしいことだから。そしてこういう面でもそれは如実に見えてくる。

もはや飲食店であることを忘れている

これはある店の日常的な風景だ。資材(食材)の搬入と、廃棄物の搬出で店の前にこのような情景が醸し出される。ちなみにここは、テナントビルのメインの入口である。そもそもビルの入口にこうしてゴミ山を露出しているのもどうかと思うが、すぐ側の客席で、客はゴミ山を眺めながら食事をしなければならない。こういう感性そのものが「内向き」である証なのだ。私がもしこの作業を担当する者なら、せめて食事をしている客に見えないように工夫をするし、四六時中こればかりやるクルーを採用しているのはわかるが、客が不快に思わないように工夫をしろと店長として教育する。だってここは飲食店なのだから。

ちなみにこの店は、近隣住民に話を聞いても、良い話は何も無い。入れ忘れのオンパレード、不良接客の大量生産、試しにGoogleで口コミを検索してもひどい言われようだ。


もうじきパシフィコ横浜で年始の恒例行事キックオフミーティングが開催されるだろう。全国からマクドナルドのオーナー、店長、相応のタイトルの者が一斉に集う。そこでCEOは何を語るのか。相変わらず現実をしっかり直視せず、景気の良い、都合の良い、内輪が主人公のワッショイイベントとなるのだろうか。顧客はそんなものどうでもいい。店の実質的な繁栄、企業としての価値はそこには無い。昨年は「チャレンジ」だとトップメッセージを発したと聞く。しかしその中身とは、レイバーに対する「仕事の高積み」に過ぎない。そしてその後直営店の売却から端を発するリストラなど、随分と景気のいい話とは裏腹な泥臭いことを現場で繰り広げている。

現場は喜んで新機軸を受け容れていないようだ

あれやろう。これやろう。そのGOALとは何か。客の満足、多くの飲食店からマクドナルドを選んで頂く信頼感。これに尽きないのだろうか。入れ忘れを連発し、不良接客で嘲笑に晒され、クオリティの低さに驚き、そして二度と店に行かなくなる。ミクロが見えないからマクロでわからないこの現実。もうかりそめのポジティブメガネで物事を肯定的に捉えている場合ではない。

私個人の調査では、現経営首脳陣(サラ・カサノバ、日色保、下平篤雄)の従業員からの支持率は2割に届かない。そんなトップの元では、当然インナーホスピタリティは発現せず、日々不良店舗体験は量産され続けるのだ。やれスマイルだのハッピーだの、過去においてそのキーワードはマクドナルドの「常識」だったが、今は誰一人それ実感していない。一部のクルーがハイセールスを楽しいと感じているだけだ。心からスマイルになれること、ハッピーをおすそわけできること。今私が廻る店のおよそ7割はそれらを失っている。そしてその責任は現経営首脳陣にある。それを肝に銘じてほしい。

2021年。劇的な改善は見込まれないが、今後の動向に注目していきたい。

マクドナルド聖蹟桜ヶ丘店は一見の価値あり

実に半年ぶりのブログ投稿。というのも、この「マクドナルド的な〇〇グ」は、同社の良きを届けるという目的があるものの、なかなかそれを見つけることが今はできない。その中で今日は久しぶりに記事にしたい体験をする事ができた。

2020年11月22日今回は東京都は多摩市。聖蹟桜ヶ丘へ。


川崎から南武線で分倍河原駅へ。そこから京王線で聖蹟桜ヶ丘駅におよそ1時間あまりで到着。聖蹟桜ヶ丘店は駅前の通りを渡り、目の前の商業ビルの1階にある。


入口真正面は注文カウンター。左手はお一人様用のカウンター席。右手はグループ用のテーブル席で、ワンフロア展開である。

外にはテラス席も用意されている
店の顔となるカウンターはGELがアシスト
カウンター席も席数が多い
ゾーニングが明確化されている


この店、実は数年前に一度訪れていた。その時の印象は「早さだけ」が売りという印象で、これといった良さは感じられなかった。今回再び訪れた理由は、店のクルーからお誘いを受けたからだ。正直前回の経験上あまり期待していなかったが今回はどうなることやら。

この店に限らず、この店のように「駅前」立地の場合、多くが以下のようなパターンに陥りやすい。

1. 多客で接客が雑
2. 多客で商品の品質が悪い
3. それでいて客席は放置され汚い
4. 店内が荒れだすと客層が悪くなる
5. 客層が悪くなると益々接客が悪くなる

という負のスパイラルに陥る。そしてこういう店は今とても多い。

店に着くなり目に留まったのが、おもてなしリーダー(GEL)の姿だ。このブログでも、再三にわたり採りあげてきたGELだが、おもてなしもまた「惰性」になりつつある。その多くは「ラインメイク」に集中し、おもてなし風など吹きやしない。そもそも売ることに集中しすぎてマンパワー不足も合いまってか、GELそのものを配備していない店もあるほどだ。それだけ今のマクドナルドとは混迷を極めている。さあ、今日はどんな仕事が見られるのだろうか。

私の懸念していたGELだったが、それは杞憂に終わった。
印象的なのは、マスク姿でも見せる「目元の笑顔」だ。多くの場面で対面することになるが、構えない自然な笑みは、ゲストの心を和ませる。そう、もうこの時点でこの店のスペックは分かり始めていたのだ。GELの活躍は「幅」がある。テーブルデリで、上品にも配膳する姿。ゲストも喜んでいる。細やかな客席のクレンリネス、スポットカンバセーションも効いている。
上品な所作なので経験値が凄そうだと訪ねたところ、まだ高校生というではないか!
そしてラインメイクも大きいアクションで指し示す。そこである事に気がついた。

ここがゲストとのタッチポイントとなる


一列で並んでいる先で、三台のPOSが待つ。足元にはここで待つようにという表示があるものの、一列から三列になるための文言は書かれていない。そこは、GELの役回りとして、次に空くPOSへの誘導を行うのだ。そこで必ずゲストとのタッチポイントが生まれる。しかし、テーブルデリでGELがいないときはどうするのか。よく見ていると、マネージャーや店長がササっと現れてアシストしている。こういうゲストとの接点はたまたま偶然生まれたようには見えない。

列に並び、衝撃を受けた!
なんとこの店には、まだSTAR(職制)が健在なのだ!
昨年9月のユニフォームの更新を機に、STARというタイトルは廃止され、今までのSTARは皆、Treinerに降格したと聞いている。しかも、特別なユニフォームである「スタユニ」は取り上げられ、入りたてのCREWと同じユニフォームで仕事をするようになったのである。サラカサノバによる経営合理化策で、このように半世紀に亘り伝承されてきたSTARの文化とは、いとも簡単に伐採されてしまった。そして今現場に立つ「元STAR」のクルーは皆、モチベーションダウンの中で、自分の活躍の場を失った喪失感にあると訊く。そういうレイバーの心が外国人経営者にはわからないようだ。
最後のスタユニである赤シャツに身を包み、元気な発声でカウンターをリードする彼女たちは、STARそのものだった。名札もしっかり「STAR」とある。

訊くところ、同店を運営する法人「BIGTIME」では、STARを廃止せずに残しているそうだ。それはオーナーの「フロアサービス」に対する考え方が大きく、その具現化の為にはSTARが必要と判断してのことだそう。まったく私と同意見でオーナーの心意気には頭が下がる。特別な教育を受け、脈々と伝承してきたSTARにはプライドがある。そのプライドを尊重するとはなんと素晴らしいことか。

小さなクリスマスの置物もSTARの仕業だろう


STARが先制しての元気なカウンター。この雰囲気が私は好きだ。

今のマクドナルドは、売ることに集中しすぎて、空間としての「楽しさ」「潤い」を失いつつある。こと藤田田時代のクルーは口々に「今のマクドナルドは静かだ」という。コーリングと言われる声の掛け合いも無く、ハッスルサジェストなどは絶滅寸前だ。そういうのは古いという関係者も一部いるが、実際こうして元気にやっている店もある。そして、こういう雰囲気になれば皆楽しいのではなかろうか。STARの甲高い声は混雑でも、マスクでもよく通る。むしろコロナ渦の今、それを見直しても良いように思う。

目の前にSTARが現れた。モップを手にしてクレンリネスを始めた。私はそれを見、胸がいっぱいになった。当たり前にそこにあった光景。それが今はとても希少なものになり、STARがフロアを守っていた頃を彷彿とさせる。彼女が入念に清掃していたのは、床に残る僅かな零し跡だった。こういう小さい汚れを見逃さない仕事を、この店では「当たり前」にしていることが嬉しい。

オーソドックスなビッグマックはソース多めで


肝心な食事はビッグマックにした。このオーソドックスな古き良きを大切にするBIGTIMEの店では、創業当時を思わせるメニューが相応しい。STARの元気な姿を見ながら食べるサンドイッチは、まだ「おいしい笑顔」が売りのマクドナルドにタイムスリップするような気持ちにさせられる。このオーダーの前に、マックフライポテトを頂いたが、こちらもカリッと立ったポテトが出てきた。クオリティも申し分ない。

元気なクルーを牽引する店長は私の目から見ても「できる」タイプだ。できる店長とは、自分で手を動かさない。ディレクターとは常にディレクションを仕事とすべきで、そうしないと秒単位で変化する店の状況に対応できないのである。実際フットワークの軽さ、アップ感は最高。そして、マネージャー陣の仕事の「緻密さ」も見逃さなかった。取り揃えは美しく、整然と並べ、さりげなくMマークも揃えている。プレゼンブースに入れば、ヘソに手を合わせてしっかりお辞儀をして見切るところまでしっかりやる。そこらへんの店のように、ゲストがトレーを取った瞬間踵を返すとか、そういう失礼が無い。こういう小さなところに「誰がお客様か」という考えが根付いているように思える。

あるマネージャーと対談した。そう。今日この店を異動で離れるAさん。招待してくれたその人である。

漲る素晴らしいマネージャーのオーラ


5年間に亘りこの店で働き、あることに挑戦し続けてきたそうだ。それは「ピラミッドの構築」だ。これは私の理論ともピタリと合致するのだが、管理者がてっぺんにくるピラミッドではなく、管理者が一番下でクルーを支えるというものだ。

このピラミッドの理念に同意していて驚いた

店長がいちばん偉い。
そんなことを考えている店はぼろい。それは店長力で全てが決まるし、牽引力がなければ店が腐るからだ。反面で、店長、管理者がしっかりした土台を築ければ、その上にいるクルーは安定し、仕事がしやすくなり、インナーホスピタリティにつながる。そして、このピラミッドとは「人育て」が鍵のようだ。
今のマクドナルドはRDM(店の運営プログラム)により、縦割り組織に拍車が掛かったと訊く。それは横の繋がりが希薄になり、コミュニケーションの分断が起きる。自分のことだけすればいいがまかり通り、小さいコミュニティで仲が悪いという人的な問題が顕著に現れる。Aさんはマネージャーだが、慣用句に「私の教え子」という言葉がある通り、多くの後輩を大切に育ててきた。そして、管理者でありながら「優しさ」に溢れている。後輩に慕われる管理者であることは、Aさんの最大の強さのように思う。そう。マネージャーとは人間性が大事だ。誰でもできるものではない。

店作りをしっかりやっていくという決意に満ちている仲間


それを語る上では、勝手に「七人の侍」と命名した人々の影がある。管理者、お客様係、それぞれのプロフェッショナルが強いプライドを持ち、お互いがそれを認め、尊敬している。形ばかりの「マクド愛」ではない。仕事を通じ、日々店を作り、ピラミッドの石積みを、全員参加でコツコツとこなす。ブレないマネージャーのもとには、良いSTARやGELの仕事が花咲き、クオリティ高いプロダクションが実現するというものだ。自分の店をどれだけ愛せるか。ゲストを唸らせることができるか、そこがゴールではなかろうか。

最後にお招きいただいたAさん、STARを存続してくれたBIGTIMEの内田オーナーには敬意を表すると共に、益々の発展を期待したい。

コロナがマクドナルドに齎したものとは

世界的な大流行という今世紀初とも言える人類の脅威となったコロナウイルス。
2020
年春、クルーズ船の報道から端を発し、もの凄い勢いで拡散。遠い、少数の、他人事のように思われていた疫病は、私たちの身近な存在となり、世界はその脅威に平伏し、その沈静化を願った。

日本では、令和2年4月7日から、緊急事態宣言が政府から発令された。強制力は無いものの、多くの企業がそれにより「自粛」をし、街から人々が消えた。

企業は基本的にテレワークを勧奨。一方でスーパーマーケットなどの生活必需品を提供する店などは営業を継続してほしいという勧告が成され、社会は粛々と防御の態勢を整えていた。

このブログで語ることは、日本マクドナルドの動向に関する事だが、私なりにコロナウイルスと、同社の取り組みについての見分を書いていこうと思う。

まず、私のオフィスでは、3月末の東京都知事による外出自粛要請を受けて、早速テレワークとなった。自治体からの要請に従うことは企業としての責務であり、当然の対応である。そしてこの発令から、多くの企業、店が自粛期間に入っていく。

大小様々な飲食店が自主的に休業していく最中、マクドナルドは営業を続ける。もちろん禁止では無いからそれぞれに判断を委ねる格好になっているのだが、全く営業形態を変更することなく、安閑と店を開けていることには驚いた。そして驚いたのはこれだけではない。

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半年も前から仕込んでいたプロモーションだからわからなくもないが

営業を自粛するどころか、新商品を発売し、大々的に宣伝を始めたのだ。
この頃から営業自粛をしている飲食店の経営に陰りが出てきたのだが、通常通り営業しているマクドナルドはむしろインカムが上昇する。ぶっちぎりの黒字営業状態で自粛などどこ吹く風だ。客が開いている店に押し寄せるのは当然のことで、マクドナルドは「開いている」からのインカムで、全国の店は「歴代セールス更新」が多発し、多いに盛り上がったようだ。

マクドナルドの関係者に訊くと、客から感謝の声が寄せられたそうだ。
「このご時世お店を開けてくれて感謝している」というものが多いそうだが、少し辛辣な言い方をすれば、それはパチンコ屋と同じで、自粛無視で開けているパチンコ屋に対してパチンカーが「開けてくれてありがとう」というのと同意である。不要不急の外出を控えなさいという行政からの要請がある中で、両者とも「不要不急」なのである。ハンバーガーが無くても私たちは生きていけるし、近所のコンビニでおにぎりを買った方が安全だ。

そう。安全という言葉を使うには理由がある。
マクドナルドが営業しているという事は、そこは「三密」の温床となる。この時点でマクドナルドは何の対策もとっていなかった。そして店内、ドライブスルーに殺到する客の中には、当然保菌者も混ざっていて、感染リスクは一気に高まっていく。マクドナルドとは駅のような場所だからこそ、営業を自粛しないという決断をするのなら、もっと早く、いつも以上に対策をするべきだった。

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これだけ日々感染者発表が続き恥ずかしくないのか

そしてだれでも容易に予想できる状況に陥った。
全国の店で従業員が感染し、急遽当該店舗を閉めて消毒をする事態となった。その軒数は飲食チェーン各社と比較してもダントツであり、プレスリリースには日々感染者が出た店の名が連なった。

私は現役の従業員に、よく統計をとる。今回は「コロナ渦の中で働きたいか」という統計をとってみた。結果はこうだ。

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働きたいという意見はほぼ学生だった

会社は店を閉めることをしない。それでも店に立ちたいかという部分で、ホンネの部分を探りたかったのだ。結果はある意味予想通り。実に8割の従業員が休みたいと回答。何人かにコメントを求めたところ、主婦の場合「子供が小さいから菌を持ち帰ったら最悪死ぬかもしれない」というもの、また学生の場合「学校が休校になっているのにバイトで感染したら意味が無い」という。実に的を得ているし、まともな人なら考えずとも、そういう状況になることは容易に想像がつく。しかし、この会社の上層部はそういう考えを持たない。

その理由は実に明快だ。
マクドナルドとは全国のフランチャイズ契約店に支えられている。本社が営業を自粛すると発表したところで、多くのフランチャイズ契約している中小企業の「利益」を保証することはできない。つまり、責任が取れないのである。だからこそ、どうしても閉めるわけにはいかないのだ。そしてもう一つの理由がある。それは、前述の通り「サムライマック」などのプロモーションがボトルネックとなる。半年以上前から企画し、食材を蓄積しているプロモーションを中止するわけにはいかない。在庫処理の為にも従業員の危険を顧みず営業を続けなければならない。

ちょうどこの頃、SNSには一風変わったアカウントが現れた。

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マクドナルド従業員が声を上げるのは珍しい

助けて
この言葉に誇張は無い。
そしてこの「助けて」という声は一気に膨れあがった。
私の元にも様々な意見が飛び込んできた。
これほどに従業員が経営に対して「異論」を唱えるのは珍しい。マクドナルドからはバカッターの類いはあまり現れないが、これほどに荒れ模様になったのを私は見たことがない。それほど「生命」に危機を感じるゆゆしき事態であることは明白である。

ここにきて、ようやく「コロナウイルス対策」と呼べるだけの対策をとるようになってきた。店ではようやくマスク配布、フィルムスクリーン設置、フィジカルディスタンス表示など、急場凌ぎのものだが、徐々に対応していく店が増えた。が、関係者に訊くと、これらはほとんどが「店任せ」だったそうだ。フィルムスクリーンなどは店長がホームセンターなどで材料を買ってきて手作りしたという。

マクドナルド店内営業を自粛

ようやく報道発表が成された。
しかしこれは、あることのタイミングに合わせたものだ。
まず「サムライマック」を売り切った時点でのこと。大量に仕込んだ食材を産業廃棄物にする事は免れた。そしてもう一つは、ある報道だ。

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減収減益のご時世に強いという印象形成をしたかったのだろう

会社はきっとこの記事が欲しかったのだろう。
コロナ渦においても強いビジネスという刷り込みを新聞にしてもらった。これで無理して営業する理由の1つが解決したから、計画閉店を実行に移したのだろう。従業員から感染者を出してまで無茶に営業を断行し、その結果としてお得意の「印象形成」が完成した。もうここまで来れば、自粛に乗る体でイメージアップするしかない。

安全安心のために、今できること。
何を言っているのだろう。
この記事を読み、時系列的に顛末を理解すれば、安全安心という言葉の軽さを感じるのではなかろうか。
そしてこれらのCMには、深い意図が視えてくる。
まず、「ドライブスルー、デリバリーが便利です」である。これは別にコロナ渦があろうがなかろうが今までもあったものだ。単なるビジネス的な宣伝に過ぎない。そして「モバイルオーダーペイ」だ。いかにもコロナ渦のために開発したような印象を与えるが、これはだいぶ前からサービスインしており、またあまり評判が良くなくて利用者が少ない。そのタイミングでもっと利用者を増やしたいという意図があからさま過ぎだ。これもEOTFという日本マクドナルドが推進しているサービスの一環で生まれた新機軸であり、コロナ渦対策で用意したものではない。

欧米諸国のマクドナルドでは、啓蒙広告を主として展開している。手洗いの励行、マスクの着用、フィジカルディスタンス、それらの広告は一切利益には繋がらないが、客の健康を考えると当然そのような内容に仕上がる。そういう点でもインテリジェンスの差を感じてしまう。

そして当然の流れとして、全国3千店の「客席利用休止」を発表。
多くの従業員が安堵したと言いたいが、ここでも問題がある。
ショッピングセンターなどの店は屋台の閉店に合わせて店を閉めたものの、そこからのヘルプが開いている店に殺到し、キッチンは「密」になったという。社内においてもそういう感染対策は粗雑で、深く考証するというこの会社の苦手なところが如実に表れた。でもそれは潔く「全店休業」をすれば済む話であり、先に示したとおり「フランチャイズ契約店」を生かしておくためには必要なことで、現場では多くの苦労があったと聞いている。

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住宅地でこれは迷惑だ

そしてある事が社会現象になった。
それはドライブスルーに押し寄せる車列が延々と続くというものだ。
そうでなくても土日の営業で近所から苦情があったり、最悪の場合は通報により警察が出動する事もあるドライブスルーだが、いつもの倍近い客が押し寄せ、近隣住民からは「公害」とまでSNSに書かれる始末。もうここまで過剰なインカムがあると、店としても対策の取りようがない。
以前から少し気になっていたことだが、マクドナルドほど人が大勢やってくる場所は、ある意味規制がかけられない。そうなると最悪の場合は暴徒化することもある。例えばこの写真の待っている人々が痺れを切らしてクラクションを鳴らし出したらどうするのだろうか。一言でいえば「やり過ぎ」だ。

また、ここに大きな盲点があった。ドライブスルーにやってくる車は、個室である事から車内の者はマスクをしていないケースが多い。そして従業員と接する場面ではいつもより大きな声で話す。つまり、飛沫感染が最も危険な状況が出来上がったというわけだ。そりゃ「助けて」になるだろう。

先に示したとおり、これだけのインカムがあっても尚のことテレビCMでドライブスルー利用を扇動する気質は、まさに金儲け主義そのものである。

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徹底した除菌作業が行われる現場

コロナ渦がマクドナルドに齎したもの。
様々な取り組みにより、結果として顧客が安全に利用できるだけのスキームを手にすることが出来た。それは実に評価できる。
しかしその反面で、己の利益に拘りすぎてか、犠牲を多く生んだ。そして相変わらず現場の声をまったく聞いていない。
OC
OM(管理者)などのホワイトカラーはテレワークで店に行くことを禁じたそうだ。しかしその反面で、店に立ち、毎日感染の危機に怯えていた従業員のことを忘れてはいないだろうか。守られる命、どうでもいい命なんてない。みんな平等に守られる、守りたい命ではないのか。

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6月に入り、全国の従業員に、本社から手紙が届いたそうだ。
手紙はCEOのキメ顔。そしてハンバーガーなどの無料券が添えられて。
この手紙が届いたという投稿がSNSを賑わせたが、そのコメントは実に酷いものだ。

「こんなのいらないから現金を」
「マックカードのほうが良かった」
「手紙は読まないでゴミ箱行き」
「課税対象ってどういうこと」

何も無いよりはありがたい。
しかし、この会社はいつもこのやり方だ。
以前システム障害で大変な思いをした従業員に対しても、セット無料券が配られたようだが、食べものだけで誤魔化される問題ではないだろう。
もし私が従業員だったら、こんなふざけたことをされたら怒り狂う。
命をかけるなんてことは人生でそうそうあることではない。しかし、感染して死亡者が出るような殺人ウイルスがいつ自分に降りかかるかも知れない状況で、マスクをして暑い中で意識が朦朧とするほど努力した従業員の心を知っているのだろうか。コロナならではの苦情も多数寄せられたと聞く。それでも店を開け続けた努力に、こんな紙っぴらひとつで心をひとつにできるというのか。

私の実施した従業員への調査では、サラ・カサノバ会長の支持率は約2割。そして現社長の日色氏、副社長の下平氏は2割にも満たない。そんなトップの強い政治の中で、大変な大時化で転覆しないように必死に舵取りをする従業員からは、何も慕われていない。こんなに求心力のないトップの大企業を私は他に知らない。

マクドナルドは今、大変な「分断」の危機にある。
そしてそれを如実に表したのが、このコロナ渦なのだ。
従業員の命よりも、金儲けを優先した現実は、どうにも言い訳できないだろう。
またしても求心力を低下する結果を招いてしまった。
クルーも一切笑わなくなってしまった。
それは大事な事を忘れているからだ。一にも二にも経営の事ばかり考えて人を後回しにするからこうなる。人を大事にしない企業に未来なんてない。

私は投資をしているが、金儲けだけの企業は嫌いだ。

AJCCの聖地に行って思うこと

2020年2月24日

東京オリンピックが開催されるこの年に、私はあるマクドナルド店舗に行ってみたくなった。
東京は大田区にある「環八大鳥居店」だ。

マクドナルドが日本に上陸して半世紀。
今まで紆余曲折を経て、大きなネックポイントを経て、それでも人々に愛される存在として今に君臨するのだが、今ほどマクドナルドそのものが大革新の過程にある年は無いだろうと断言できるほどに、変化の中にある。
このブログでも唱えてきた「マクドナルドらしさ」がどんどん失われていく今、この店は過去の歴史を知る生き証人であり、それを彷彿とせざるを得ない。そんな気持ちにさせられている。

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都内の好立地で平屋建ては今どき珍しい環八大鳥居店

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今や懐かしさが漂うヒゲマック

今日は抜群の快晴で、とても暖かく、お出かけ日和となった。
三連休最終日ということもあり、店は大変な混雑だ。

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2POSで店内の大行列を丁寧にオーダーテイクしていく

そう。この店の混雑は常軌を逸している。画像を見てもわかる通りで、店内に長蛇の列ができている。街道店であるにも関わらず、この行列。大変珍しいパターンだが、店内で飲食するのであれば、近隣住民の方々だろう。
店はいわゆる「ヒゲマック」と呼ばれる、今から二世代前ほど前の設計で、藤田時代と原田時代が入り交じった趣があり、ファミリー席に重きを置いている。そしてどの席も家族連れで満席状態だ。

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まさにハンバーガーレストランという言葉にふさわしいゆったりした客席

DPSはあるものの、今のマクドナルドの客数対応に対応できるキャパシティを超えている。そう。この店は今の時代に追いついていない。

実は2年ほど前に、私はこの店を訪れていた。
その時にたまたま撮影していたあるもの。

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本棚があって使い込まれた絵本があった

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まさにママ目線の工夫もあった。先折れストローはうれしい気配り

店には絵本の本棚とか、小さな工夫が光るコーナーがあった。
しかしそれらはもう今、取り壊されて存在しない。マイホームのような温かさから、多くの客を可能な限り収容できるだけの合理性が勝っている。そんな変化がここ数年で見られた…という訳だ。

この店を語る上で忘れてはならないことがある。
それは「AJCCの聖地」であるということだ。
1977年から伝統的に行われてきたそれは、今となっては同エリアの「1号線池上店」や、旗艦店である「六本木ヒルズ店」での開催が主流であるが、マクドナルドがマクドナルドらしかった時代には、この「環八大鳥居店」が全国戦のファイナルの地として君臨していたのである。
この店で開催される決戦は、大きな看板が掲げられ、SNSの「映え」ばかり気にしている今の出場者とは違い、そんなものが無い時代だからこその、本気のスキルマッチがあったと訊く。つまりこの店は、多くのAJCC参戦クルーが闘い、笑い、涙した甲子園のようなシンボリックな存在ということだ。

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こんな立派な看板が掲げられて行われる全国戦も今は無い

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AJCCそのものが今とは違い、そして多くのクルーがここで汗をかき、時に涙した

マクドナルドは変わった。
お子さまを最高のホスピタリティで迎えるSTARも廃止。ドナルドアピアランスも廃止。この店でも開催されたドナアピの写真も私の手元にある。そしてSNSが台頭し、異常なほどのGCがあり、正直店内は荒れている。この客人は今のマクドナルドのどこに惚れて、こうして列を成してまでやってくるのだろうか。そう想った時に、今までの「来店機会」とはまた違うものを現場で感じていたりする。

スマートフォンで得られる情報で人々はコントロールされ、今や席に着いたまま発注することもできる。様々なアプリからクーポンが発行され、店には社外の出前の人々が大きな箱を持ってやってくる。そしてオーダー待ちのモニターには数字が並び、てんやわんやの大騒ぎだ。

ちょっと待って欲しい。
飲食店としてのベーススペックを超えたこの状況は、異常では無いか。
私は今のマクドナルドの繁栄が「バブル」ではないかと感じている。そしてそこにとんでもないリスキーさを孕んでいないだろうか。
そもそもマクドナルドビジネスとは、「90秒」で商品を提供するルールだが、ここまで混沌としてしまうと、90秒はおろか、10分は待たされている。そして「スピーディー」を売りにしていたサービスそのものも、オーダーまでも大変な待ち時間になり、早さ自体はもうそこにない。そしてセルフサービスを創業以来の売りとしていたが、座る席すら確保できない状況にある。これは他店でもよく見かけるものだ。こういうものを統合的に解消していくであろう「EOTF」(未来型店舗体験)だが、こんな群衆の中で推進できるものではない。事実としてすでにEOTFを推進している店舗からは様々な意見が噴出している。「環八大鳥居店」はまだEOTFは何も始まっていないが、このGCでそれができるとは到底思えない。

話を戻そう。
AJCCがこの店で繰り広げられていた頃は、家族連れがきちんと着席でき、フロアサービスが店内の秩序を守りホスピタリティを満たし、そしてゆとりある仕事にクルーたちは楽しく仕事ができていただろう。
今はどうか。毎日こなすにはしんどい仕事量、クオリティの低下、もしかしたら苦情の量も増えているのかもしれない。それでもキレる事なく黙々と仕事をしているクルー達の姿。ひとつでも歯車が噛み合わなくなると大変なトラブルを引き起こす一歩手前のギリギリなところを、必死にならないとどうにもならない現状での格闘。

会社は儲かった。株価も上がった。きっとお偉いさんは狂喜乱舞でこの状態が続いて欲しいと感じているだろう。
そしてこれからもずっと、どうしようもないプロモを、SNSのチカラに頼って乱発し、客を扇動していくだろう。
しかし、本当にこのままで良いのか。そして、SNSに頼りっぱなしで本気玉を投げなくて良いのか。
何より、この異常なGCのまま、或いはそれ以上の効率を維持し続けるというのか。

AJCCで私たちが培ってきたホスピタリティ。
それが今、葬り去られようとしている。それは会社の繁栄とは裏腹なところにあり、どちらかというと、無機質な機械的なものに変容している。このAJCC聖地の状況を2020年に俯瞰した時、私の胸に語りかけるものとは、我が家のようなものではなく、市場のような賑やかさ、いや、賑やかとかではなく、むしろキリキリとした緊張感。少しでも何か綻ぶと怒りの炎が燃えさかるような、そんな空気が立ち籠めている。

この店はまだ旧ユニフォームだったが、今日はSTARを見かけることはなかった。
当然、客席にいてホスピタリティを感じることはない。
行列を眺めながら落ち着きのない空間で頂く食事。
マクドナルドとは、こういう場所だったのだろうか。

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ホスピタリティ溢れる店内を見続けてきた記念プレート

3000号店舗目の看板が泣いているように思えた。
そう。今のマクドナルドには優しさが足りない。

そして今のようなバブルを、レイクロックは望んでいない。

高品質だけど低品質なマクドナルドとは

先日ある店で食事をしていると、商品の中から埃の塊のようなものが出てきた。
私はそれほど重大な品質問題とは思っていなかったが、その塊を受け取ったマネージャーがきっちりと店長に報告していたらしく、後になって連絡が来た。

然るべき部署に調査を依頼したい。

それはそれで宜しいのではないか。お調べなさい。
そう告げたが、事後の調査報告はどうするかと言われるも、別にそれは店の問題であって私はいらないと告げたが、店に届くのでそれは引き渡すという。

それから2週間ほどで、調査報告書が届いた。

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実は数年前、ビッグマックから「赤いレタス」が出てきたことがあり、その時には調べてもらおうということで同様に調査を依頼し、このような結果報告をもらっていたから、今回もさして驚くこともなく、その結果を読んだ。

報告書の封には、先の画像のような様式が2枚入っていただけ。
報告書としての出来栄えは申し分ない。しかし、何かが足りない。
それは「お詫びの心」だ。

顛末、異物の分析、再発防止への宣言はいい。しかし、それを差し出され、もしかしたら口に含んでいたかもしれない不手際については、報告した、紙でお詫びしたでは済まされないのではなかろうか。

もし私が店長ないし品質部門の担当なら、商品代金をお返しするか食事無料券のひとつでも差し上げる。

最近こういう企業の不手際による後処理は、完全にシークエンスがおかしいケースを散見するし、それは失礼千万なこともある。一般的には「商品代金をお返しする」という手順を踏む企業もあるようだが、例えばそれ以上のことはしないと決め込んでいる、というかマニュアル化されているのが殆どだろう。

一食で五百円程度のもので、目くじらを立てているのではない。そういう一連の事務手続きの中で、申し訳なかったという「心」が見えないのだ。

信用を失うのは簡単だ。しかしそれを回復するのは大変。起きたことは仕方ないにしても、極端なことを言うと「異物入りでも食ったものは食ったんだから返金しなくてもいい」という思惑でそれをしたと言われても仕方ないのではないか?

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最近こういった品質問題に関するSNS投稿が増え始めているし、一日でいくつかの投稿を見ることもある。
ここで忘れてはいけないのが、客は「怒っている」という事だろう。ここでもし今回の私のケースのように「ビニル片でした」「虫でした」以上。みたいな手紙が届いたらどうだろう。そんな白いものを見て白いですね!みたいな事を言われて気分が良いのだろうか。そこで例えば「もう一度ご来店頂き私たちを見てほしい」という言葉と「私たちの品質基準に満たない商品のご提供をしてしまったのでお代は頂戴できません」と商品代金を返金する。そこまでして初めて「信頼」というものが回復するのではないだろうか。

ちなみにこれらの事を「してくれ」とは言わない。
言われてするそれになんて意味がないからだ。

ことこういう異物混入とか、品質の問題とは、簡単じゃないのは分かる。そして過去に多くのとんでもない不当要求があったかもしれない。しかし、その積み重ねから生まれるもの、悪辣ではない客が被る過失においては、まさにマニュアル通りではない「真心」が必要だ。

必死になってプロモーションビデオを作ったり、アプリに安心安全の刷り込みをしたりしても、顧客はもうマクドナルドを信用していない。日々の目の前で起きる事が真実であり、それらを覆す事は広告にはできない。最終的には「申し訳ない」という気持ちが足りないんじゃないかなという感情にしかならないのだ。

寛容な心で向かえる私でさえ、この対応シークエンスに問題を感じた。

AJCC2019ファイナル

令和元年12月8日(日)

快晴のこの日、私はマクドナルド1号線池上店に朝から向かっていた。
毎年恒例行事のAJCC(オールジャパンクルーコンテスト)のファイナルを観戦するためだ。


今年は例年になく台風などの自然災害の当たり年で、各地で開催されていた前哨戦において悉く足止めを食らい、ほとんど赴くことができず、あれよあれよという間に決戦になってしまった。それでも昨年より少し遅い、12月8日に最終決戦となった。会場は昨年は異例の2カ所での開催で、六本木ヒルズだったが、今年は1号線池上店で全6チームという少し少ないノミネートでの開催だ。

はっきり言って、今日はとんでもないインカムがあり、聞くところではハーフセールスでなんと20万円を超えたという。きっと娑婆ではボーナスが支給され、買い物に行くなど、財布の紐が緩む中で圧倒的なセールスを生んだのだろう。そんな中での審査はとんでもない混沌とした舞台となった。

以前にも何度も記事にしているが、同店は1階が注文を受けるカウンターだけで、客席は2階にある。その1階が人だらけ。注文待ちと受け取り待ち、あとは関係者陣でごった返している。狭い空間に人が溢れ、大変な賑わいだ。自宅で記事を書いている私だが、まだ鼓膜にガヤ音が残っているほどだ。

客席も空席率が低く、客が右往左往する状況が続く。そんな中で行われる審査だからこそ、実戦力が求められる。しかし、残念なことにそんな中で繰り広げられた審査は、ほとんど人波に埋もれてしまい、客の目線で見るレベルでは、その差を実感することが出来なかった。

AJCCファイナルとは「僅差の戦い」と言われている。それこそ大きなパフォーマンスをしでかす参戦者もいるが、オーソドックスに立ち回ると、圧倒的な動員力の中に埋もれてしまう。かといって、客席警備員としてDJクルーになっても仕方ない。

AJCCでは初めてとなるゲストエクスペリエンスリーダー部門においても、満席に近い状況の中で、様々な客のリクエストに応え、参戦者は皆善戦していたものの、私個人の感覚から言うと、まだまだ未熟というか、走り始めたばかりというルーキー感が否めない。存在感とか、燦々としたスマイルはそこにあっても、実際に顧客の店舗体験をリードしているのかというと、ややパンチが弱いような気がする。きっと来年は正念場だろう。

そして今日とても感じたのは、MOP導入の脅威だ。
これだけのハチャメチャなインカムの中で、MOP(モバイルオーダーペイ)が運用されたら、もしかしたら店はパンクしてしまうのかもしれない。それこそ人海戦術で、画面にどんどん落ちてくるオーダーを取りこぼさず、一つ一つ確実に繋げていくのは、さすがはマクドナルドシステムだとは思う。しかし、今日の時点でDPSでは待ちが20分近く。テーブルデリバリーでも10分は待った。McCafe by Baristaでも15分は待っただろうか。この忙しさは、求められているものなのか、危険とするレベルなのか、そう考えたときに、ちょっと「異質」さを禁じ得ない。よくもまあこんな状態で苦情がおこらないものだと、むしろそこに感動した。

相変わらず関係者は多く、おそらくフロアの7割はフランチャイズオーナーとか本社の関係者が占めているような気がする。そんな中で、新社長と対話する機会を得たが、新聞が書かない側面を窺い知ることができた。日色保氏は4ヶ月間、実際にクルーの服装で、若葉マークの名札をし、クローズなどの現業を体験したという。そして現場ではオーナーというよりも、シフマネとかクルーとよく話すという。こういう事実は新聞にはまず載らない。そして何より特筆すべきは、AJCCの会場に社長が来たのは原田泳幸氏以来ということ。サラカサノバ氏は一度も来たのを見たことがない。そういう点では、少しだけ日色保氏を見る目が変わった。

私にはもうひとつの注目事があった。
夏にTOVして、その仕事に大変感激したクルーの参戦だ。
当日もとても素晴らしいパフォーマンスを見せている。私的には申し分ない仕上がりだと信じていた。

実は一週間前、私はそのクルーに手紙を託していた。
そこには、約10ページに及ぶ私なりのAJCCへのTIPSを綴っていた。そんなものが役に立つとは思っていたなかったけど、1ミリでも活きるならいいなと思ってしたお節介だ。そしてその手紙を渡す日に、偶然にもその法人のオーナーが現れた。休みだというのに、AJCCに賭ける本人の仕事の最終チェックにやってきたそうだ。多くの人々に支えられ、そのクルーは今日大舞台に立った。

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いつでもフィードバックを求めてくる姿勢に感激

結果はわからない。
でも、何度も参戦できるわけではない巡ってきたチャンスに、最高のポテンシャルで、テンションで、マインドで臨みたい。そういう熱い仕事への情熱が、衆人や審査員を圧倒する、そして行きつく先には、1年の積み重ねが結実する…そう願っている自分がいる。
神奈川県にこんな輝かしい、全国に自慢できるクルーがいること。そして私が後押しできる悦び。マクドナルド的な○○とは、そういう立ち位置で、何かしらの支えになることができたらといつも考えている。

開催店舗で嬉しいことがあった。
いつも来店を歓迎してくれるSTARの池原さん。こんな私のために素敵なおみやげをくださった。彼女はいつも私が来店すると席までやってきて、闊達なコミュニケーションをとってくださる。テキスタグラムにも登場して頂いているが、私が無類のマクドナルドファンである事をよく覚えていてくれて、こうしていつも店舗体験を潤う何かをしてくださる。

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まるでお母さんのような素敵なクルー

過日開催されたセミファイナルに、GELの池原さんの姿があった。いつも通りのSTARとして育まれた優しいおもてなしは、私の心も和ませてくれて、その結果が楽しみだったが、その時は惜敗してしまった。しかし、負けるクルーであっても、こんなおもてなしがあるし、私は過去にも多くのクルーと出会い、AJCCを応援し、負けの悔しさを分かち合ってきているし、敗北したクルーもみんなとても素晴らしい。だからこそ、スキルマッチの厳しさの中で、こういう良いところが枯れてしまっては困るといつだって思う。

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船(シップ)のようなマクドナルドの聖地

店を出る頃には、なんともいえないコントラストの空に、ゴールデンアーチが輝いていた。
私はマクドナルドの復活が良くもあり、悪くもあり、そういう葛藤の中にいる。しかし、現場で働く人々と向き合い、心を通わせ、たくさん笑い、涙する。そんな人間らしさと共感することが好きなんだ。そして今年も喜怒哀楽が詰まったコンクールが終わろうとしている。

そういえば今回は本社の方々が闊達なコミュニケーションをとってくれた。
PR部、ハンバーガー大学、危機管理室(笑)。ご挨拶を頂戴できてとても嬉しい。

私が帰宅する頃には、結果が発表されている事だろう。
勝っても、負けても、みんなよくやったと思う。
今年も残すところあと僅か。

本日楽しく観戦した仲間にも厚く御礼申し上げたい。

マクドナルドの理想郷である開成店

今年、AJCC(オールジャパンクルーコンテスト)を観戦するなかで、注目している事がある。それは、今年から新たな審査部門として開始した「GEL部門」について。GELとは「Guest Experience Leader」の略で、国内では「おもてなしリーダー」と呼ばれている。
このブログでも何度か採り上げている「サービスアップ」の施策として2017年に開始したそれだが、全国の様々な店で展開するのには、一斉にスタートするのは難しく、2019年が実質的な「GEL元年」となった。今やおもてなしリーダーが活躍する店はとても多くなった。

しかし、サービスアップを推進する反面で、顕在化する問題点もある。
それは、ビジネスリカバリープラン後の「大時化」(おおしけ)状態だ。忙しさを極める店は、多くの客が押し寄せ、おもてなしどころではなくなってしまった。そしてクルーからは笑顔が消え、ノイローゼになりバタバタと辞めていくという話をよく聞くようになった。

そんな実情の中で見るAJCCのGEL部門とはどんなものなのか。

過日開催された中日本地区本部戦。GEL部門の審査を見る中で、一際目立つ出場者を見つけた。私はそのGELが働く店をこの目で見たいと、ピピッと心動かされるものを感じたのだ。と、審査会場で食事をしていると、ある法人(フランチャイズ加盟企業)のオーナーが挨拶にやってきた。私は関係者ではないと告げると、私のことを知っているご様子で、しばし対談したのだが、私の想うところのマクドナルド像にピッタリで、後日同法人の店にTOV(臨店)したいと打診した。

神奈川県西、西湘地域で営業展開する同社。お招き頂いたのは開成店だ。
実は私はここが地元も地元。すぐ近所に母校もあり、駅を降りた瞬間に懐かしさを感じるところだ。駅から徒歩で10分ほどで同店に到着した。

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どことなく宮殿を思わせる外観

丹沢の山々、奥には富士山も見える。空気も東京からくらべると澄んでいるように感じる。
そんな山々に負けじと、大きなプレイランドがそびえ立つ同店は交差点に位置し、とても目立つ。聞くところに依ると、神奈川県でも屈指のセールスを誇るドライブスルーなのだそう。

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オーダー口はひとつしかないが神奈川屈指のハイセールスがここから生まれる

敷地は広く、中に台数は取り込みやすいのだが、サイドバイサイドではない。それでいて多くのマイカーでの来店に対応できるのには秘策があるのだろう。

【追記】
先の画像は朝の時間帯だが昼頃には爆裂的に混雑して驚いた!
もはや道と化している!

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三列の車列には圧倒された

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まるでグランドピアノのような形の店内

店はワンフロアで一般的な街道店のスタイル。建物の一角は一段屋根が高いプレイランドがある。内装デザインはだいたい10年ほど前のものだ。ただ、デジのトランスライトとかDPSは採用されており、スペック的に引けをとらない。

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なかなかデラックスなプレイランドはセパレートしている

 

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建物は古いが設備は更新されている

こちらをクリックすると開成店の店内をVRてでご覧いただけます

実は私はこの店を訪れる前に、今夏同法人の別の店にTOVしていた。そこで見たGELの仕事にも度肝を抜かされた(詳しくはフェイスブックをご覧いただきたい)こともあり、今回の注目事は、やはりGELのおもてなし力といったところだろう。そう。あのAJCCの日に注目していたのは、同法人の『メンズGEL』なのだ。

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イケメンなフロアホストTさん

マクドナルドクルーは圧倒的に女子が多い。だからAJCCにも女子が多く参戦してくる。それはそれで良しなのだが、やはり男子がやや元気がないというか、目立たないというか、群を抜かない。そんな中で、とびきり仕上がりの良いメンズGELを参戦させ、他店を圧倒させるその心意気に触れたく思った。

GELとは「フロアホスト」とも呼ばれる。ホスト感は絶対必要で、着のみ着のままではいけない。どこか上品で、丁寧で、落ち着いた佇まいが求められる。メンズGELのTさんのこの雰囲気、どうだろう。私は男から見てかっこいいと思える男が好きだ。メンズクルーとは、だらしなくラフにやることがかっこいいと思い込んでいる。しかし彼のように、真摯にひたむきに仕事をするその仕草は、きっと女性のハートを射抜くのではないだろうか。そう。同社のオーナーがフォーカスするのはそこだ。

ファミリーでの来客が多くなる街道店。ママ友や近くの学校の学生が多く訪れる。そんな中でキラキラしたメンズでおもてなししたいというオーナーの想いがここに結実している。都市部でもちらちらとメンズGELを見かけるが、時に「中学生」と見間違うほどユニフォームに着られ、そしてアップ感が無いのとは裏腹に、彼にはスタイルがある。やれと言われてするのではなく、一本筋が通っているからフロアサービスにもブレが無い。爽やかに、さりげなく、女性GELには無いものがある。こういうおもてなしの「咀嚼」もまた良いものだ。

実は開成店のTOV当日も、オーナーが駆けつけてくれて、ご夫婦から多くの話を聞くことができた。その中で感銘を受けたのが「ベルリンの壁」のお話だ。
東西ドイツを隔てる壁としてそびえ立っていた大きな塀。それがマクドナルドにもあるという。どこにあるのかというとそれは「カウンター」だというのだ。カウンターで分断された世界。クルーと客を隔てる見えない壁として、それを壊せないかずっと考えてきたという。そこにEOTF(未来型店舗体験)の波が押し寄せ、そこでするサービスを自分たちの手で活かしてみようということで、ある取り組みを始めたそうだ。

テーブルデリバリーというメソッドをしっかり育てていく試み。そしてその中で生まれた「テーブルデリバリーアンバサダー」の存在。これは年に何回か開催される社内コンクールにてしっかり審査され、認証された者にだけ特別な名札が与えられる。

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テーブルデリバリーの特別感は他店を寄せつけない

だからこそ、テーブルデリバリーの「質」が違う。
仏頂面で無愛想にされるものとは違い、最大限におもてなしの花が咲く、まさに花形に相応しいポジションへと昇華している。動画でそのクオリティをどうしてもお伝えしたくて、無理を押してお願いしての掲載だ。こんな上出来なテーブルデリバリーは見たことがない。そう。この取り組みにより、ベルリンの壁はブレークスルーしたのだ。

オーナーは熱く語る。
マクドナルドが失ったもの、そして私たちが忘れてはならないもの。
私が発信するSNS投稿をまるでバイブルのようだと褒めてくれるが、それはおそらく辛口な私の言論を変化の「ヒント」にしてくれているからだと思う。そういう「理念」とか「創造」を忘れるほど、今のマクドナルド を取り巻く環境は急激な変化の中で蹂躙され、大切なものを見失ってしまったから、EOTFさえも惰性でやる店が増えているのだと思う。今、レイバーは楽しく労働できているのだろうか。

そういう意味では、同店のクルーは違う。
それを語る上で、ある「行い」が気になった。

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管理者もバイトクルーも全員お辞儀を欠かさない

インしてくるクルーが従業員口を出入りするときに、必ずお辞儀をしているではないか。オーナー曰く、これは誰がしろと言ったわけでもなく、自然に始まったのだそう。まず店への、ゲストへの礼儀があるからこそ、仕事に特別な思いで取り組めるのだと思う。ある男性クルーはお辞儀の後に、拳を胸にあて、何かを念じているようだった。そういうことを目敏くしなくても見つけることができる。

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全員楽しそうに働いているのが印象的

以前、八戸南類家店でも同じ状態を見つけることができたが、この法人のクルーは労働を楽しんでいる。いや、労働だと思っていないのかもしれない。キッチン、ドライブスルー、カウンター、プレゼン、フロア、そしてシフトと、皆が嬉々としている。忙しければ忙しいほどにそれが色濃く感じられるかなり珍しいパターンだ。例えばテーブルデリバリーで往路。復路は席を整えてくる。それはもう言われてするのではなくて、自然と自分から行動することにどことなく悦びを見出しているのだろう。そういう空気は良い客を集めるのかもしれない。
そういえば店長がオペレーションなどには入らず、全体をしっかり把握し、指示や援護ができるように動いていたのが印象的だった。ディレクターはあまり自ら手を動かさずにディレクターに専念していた方が良い。

私が感動したのはまだある。
それはMSM活動が健在なところだ。

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手作りのイベントがまだあるなんて感激

オーナーと対談している席に、ニッコニコなクルーがやってきて、これからクリスマスの飾りを作りますけど参加しますか?と言ってきた。私とオーナーはいい歳した大人だし、参加する事は無いのだが、分け隔てなく声がけしてくれる心意気。イベントに参加するしないは別として、ハッピーのお裾分けとはなかなかではないか。同店ではこういうサンデーイベントの類が色褪せないで残っているのが嬉しい。子供たちの笑い声が聞こえなければマクドナルドではない。

実は初臨店の日は11月17日。この日に記事を書き上げて即時アップする予定だったのだが、思いの外オーナーとの談議に花が咲き、肝心な取材が疎かになってしまい、日が暮れてしまったため、今日改めての臨店となった。そういう意味では過日はオーナーがいるからこその「オーバースペック」なのかと思いつつ、今日またやってきたのだが、先日と遜色無い仕事っぷりに圧倒されたし、見せかけだけではない日々の積み重ねによって、この店、ピープルが育っているということを思い知らされた。今日もまるでBSVではないかと思えるほどにしっかりしている。

行き先が決まらないクルーズでは、クルーは不安だし、楽しくないし、海に飛び込み離脱したくなる。一方で、行き先が定まったクルーズなら楽しく、インナーのハッピーをゲストにもお裾分けできる。そう。今のマクドナルドが忘れかけている何かを、同法人のオーナー、社員、クルーは知っていて、そこに回帰していくことで、結局それが最善であると知っているのだ。意味がないテーゼなんていらない。やりたいこと、夢やビジョンがあって、皆が同じ方向を向き、タッグを組むからこそ、つまらなさそうにしている人はいない。ダイナミックに、ベーシックに、時にオーソドックスに。自分で拓く航路だからこそ、活き活きできる、そんなピープルに出逢うことができた。

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古いはずの設備が輝いている

最後に。
良い店は必ず洗面器が輝いている。
そして曇りひとつない窓ガラス。
多くを語る私ですが、原点はここにある。
惜しみなくTekina Awardを贈りたい。

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