AJCC2019ファイナル

令和元年12月8日(日)

快晴のこの日、私はマクドナルド1号線池上店に朝から向かっていた。
毎年恒例行事のAJCC(オールジャパンクルーコンテスト)のファイナルを観戦するためだ。


今年は例年になく台風などの自然災害の当たり年で、各地で開催されていた前哨戦において悉く足止めを食らい、ほとんど赴くことができず、あれよあれよという間に決戦になってしまった。それでも昨年より少し遅い、12月8日に最終決戦となった。会場は昨年は異例の2カ所での開催で、六本木ヒルズだったが、今年は1号線池上店で全6チームという少し少ないノミネートでの開催だ。

はっきり言って、今日はとんでもないインカムがあり、聞くところではハーフセールスでなんと20万円を超えたという。きっと娑婆ではボーナスが支給され、買い物に行くなど、財布の紐が緩む中で圧倒的なセールスを生んだのだろう。そんな中での審査はとんでもない混沌とした舞台となった。

以前にも何度も記事にしているが、同店は1階が注文を受けるカウンターだけで、客席は2階にある。その1階が人だらけ。注文待ちと受け取り待ち、あとは関係者陣でごった返している。狭い空間に人が溢れ、大変な賑わいだ。自宅で記事を書いている私だが、まだ鼓膜にガヤ音が残っているほどだ。

客席も空席率が低く、客が右往左往する状況が続く。そんな中で行われる審査だからこそ、実戦力が求められる。しかし、残念なことにそんな中で繰り広げられた審査は、ほとんど人波に埋もれてしまい、客の目線で見るレベルでは、その差を実感することが出来なかった。

AJCCファイナルとは「僅差の戦い」と言われている。それこそ大きなパフォーマンスをしでかす参戦者もいるが、オーソドックスに立ち回ると、圧倒的な動員力の中に埋もれてしまう。かといって、客席警備員としてDJクルーになっても仕方ない。

AJCCでは初めてとなるゲストエクスペリエンスリーダー部門においても、満席に近い状況の中で、様々な客のリクエストに応え、参戦者は皆善戦していたものの、私個人の感覚から言うと、まだまだ未熟というか、走り始めたばかりというルーキー感が否めない。存在感とか、燦々としたスマイルはそこにあっても、実際に顧客の店舗体験をリードしているのかというと、ややパンチが弱いような気がする。きっと来年は正念場だろう。

そして今日とても感じたのは、MOP導入の脅威だ。
これだけのハチャメチャなインカムの中で、MOP(モバイルオーダーペイ)が運用されたら、もしかしたら店はパンクしてしまうのかもしれない。それこそ人海戦術で、画面にどんどん落ちてくるオーダーを取りこぼさず、一つ一つ確実に繋げていくのは、さすがはマクドナルドシステムだとは思う。しかし、今日の時点でDPSでは待ちが20分近く。テーブルデリバリーでも10分は待った。McCafe by Baristaでも15分は待っただろうか。この忙しさは、求められているものなのか、危険とするレベルなのか、そう考えたときに、ちょっと「異質」さを禁じ得ない。よくもまあこんな状態で苦情がおこらないものだと、むしろそこに感動した。

相変わらず関係者は多く、おそらくフロアの7割はフランチャイズオーナーとか本社の関係者が占めているような気がする。そんな中で、新社長と対話する機会を得たが、新聞が書かない側面を窺い知ることができた。日色保氏は4ヶ月間、実際にクルーの服装で、若葉マークの名札をし、クローズなどの現業を体験したという。そして現場ではオーナーというよりも、シフマネとかクルーとよく話すという。こういう事実は新聞にはまず載らない。そして何より特筆すべきは、AJCCの会場に社長が来たのは原田泳幸氏以来ということ。サラカサノバ氏は一度も来たのを見たことがない。そういう点では、少しだけ日色保氏を見る目が変わった。

私にはもうひとつの注目事があった。
夏にTOVして、その仕事に大変感激したクルーの参戦だ。
当日もとても素晴らしいパフォーマンスを見せている。私的には申し分ない仕上がりだと信じていた。

実は一週間前、私はそのクルーに手紙を託していた。
そこには、約10ページに及ぶ私なりのAJCCへのTIPSを綴っていた。そんなものが役に立つとは思っていたなかったけど、1ミリでも活きるならいいなと思ってしたお節介だ。そしてその手紙を渡す日に、偶然にもその法人のオーナーが現れた。休みだというのに、AJCCに賭ける本人の仕事の最終チェックにやってきたそうだ。多くの人々に支えられ、そのクルーは今日大舞台に立った。

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いつでもフィードバックを求めてくる姿勢に感激

結果はわからない。
でも、何度も参戦できるわけではない巡ってきたチャンスに、最高のポテンシャルで、テンションで、マインドで臨みたい。そういう熱い仕事への情熱が、衆人や審査員を圧倒する、そして行きつく先には、1年の積み重ねが結実する…そう願っている自分がいる。
神奈川県にこんな輝かしい、全国に自慢できるクルーがいること。そして私が後押しできる悦び。マクドナルド的な○○とは、そういう立ち位置で、何かしらの支えになることができたらといつも考えている。

開催店舗で嬉しいことがあった。
いつも来店を歓迎してくれるSTARの池原さん。こんな私のために素敵なおみやげをくださった。彼女はいつも私が来店すると席までやってきて、闊達なコミュニケーションをとってくださる。テキスタグラムにも登場して頂いているが、私が無類のマクドナルドファンである事をよく覚えていてくれて、こうしていつも店舗体験を潤う何かをしてくださる。

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まるでお母さんのような素敵なクルー

過日開催されたセミファイナルに、GELの池原さんの姿があった。いつも通りのSTARとして育まれた優しいおもてなしは、私の心も和ませてくれて、その結果が楽しみだったが、その時は惜敗してしまった。しかし、負けるクルーであっても、こんなおもてなしがあるし、私は過去にも多くのクルーと出会い、AJCCを応援し、負けの悔しさを分かち合ってきているし、敗北したクルーもみんなとても素晴らしい。だからこそ、スキルマッチの厳しさの中で、こういう良いところが枯れてしまっては困るといつだって思う。

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船(シップ)のようなマクドナルドの聖地

店を出る頃には、なんともいえないコントラストの空に、ゴールデンアーチが輝いていた。
私はマクドナルドの復活が良くもあり、悪くもあり、そういう葛藤の中にいる。しかし、現場で働く人々と向き合い、心を通わせ、たくさん笑い、涙する。そんな人間らしさと共感することが好きなんだ。そして今年も喜怒哀楽が詰まったコンクールが終わろうとしている。

そういえば今回は本社の方々が闊達なコミュニケーションをとってくれた。
PR部、ハンバーガー大学、危機管理室(笑)。ご挨拶を頂戴できてとても嬉しい。

私が帰宅する頃には、結果が発表されている事だろう。
勝っても、負けても、みんなよくやったと思う。
今年も残すところあと僅か。

本日楽しく観戦した仲間にも厚く御礼申し上げたい。