■2019年8月26日補足■
本日リリースの記事にあります通り、日本マクドナルドより公式な発表がありました。詳しくはこちらの記事をご覧ください。
四年目のジンクス。
なんて言葉がよくマクドナルドクルーの内から聞こえるユニフォームの刷新。
それはつまり、大凡四年周期でユニフォームがチェンジされるからだ。
こと、このブログにも何度かユニフォームのネタを記事にしてきたが、内外問わず、大変興味があり、大きな関心事であることは、アナリティクスを見ていればよくわかる。
私は部外者だが、長くマクドナルドを愛して止まない一人だ。そしてマクドナルドのイメージとは、常に「クルーのユニフォーム」の情景がそこにある。どんな時代、経営状態、流行がそこにあり、過ぎ去っていこうとも、クルー達はユニフォームに着替え、多くの客と向かい合ってきた。
こと「制服」として憧れが勝った時代から「作業着」とまで揶揄されるまでになったマクドナルドの新しいユニフォームは、多くのマクドナルドファンの期待の中で、静かに我々の前に姿を現した。
ところで、冒頭に書いておきたいことが一つある。
実運用が始まった新しいユニフォーム。このブログでお伝えするのは、一般庶民が店先で普通に見られる状態になったので、内部情報をリークするものではないことをお断りしておく。
新しいマネユニは新旧の融合という印象だ
店長、ASST、スウィングマネージャー等が着用する、通称「マネユニ」(マネージャーユニフォーム)だ。時代ごとの変化をわかりやすくするために、あえて左から右へ新しくなっていく系譜を並べてみた。
テスト運用とは、沖縄某店で密かに行われた「テスト運用」期間中に、店先で実際に着用していたデザインである。そこから大きな変更は無いであろうという意見が多く聞かれていたが、実際は思い切った方向性の転換が見られる結果となった。
グレーのシャツにマンゴーのような色味のスカーフとネクタイ。そして男女区別がされていたベストは一見して同一のカットラインだ。現行と比較してみると、ややドレッシーさに欠ける印象がある。ごく個人的な見解としては、どこにどう意見を反映した結果なのかがよくわからない。マネージャーとは「ホスピタリティのプロ」だと社内では認識しているそうだが、より硬いイメージになってしまい、そういうしなやかさが失われたようにも思える。但し、モダンな店内にはよく似合いそうだ。
レディースは、パンツスタイルのみのようだ。
CREWは爽やかになった
次に通称「クルユニ」(クルーユニフォーム)について。変化は一目瞭然で、ネイビーの暗めの色使いから一気にライトグレーで明るくなった。実際店で働いているところを拝見したが、店の印象が大きく変化するほどのインパクトを与える。色はとても大事だ。しかし簡素な仕様でユニセックス感を強く推したのか、着る人の良さを引き出してくれそうなフックは感じられない。大きな変更点としては、シャツの「第一ボタン」を開けられるようになっている点だろう。というよりも、第一ボタンがついていない。着用自体は首元が少し開いた状態になるようにデザインされているのだろう。これは暑い中で走り回るCREWにはきっとうれしいのではないだろうか。現行までずっと「アピアランス」としてドレスコードを厳しく指導し、第一ボタンまでしっかり留めていたことを考えると、こういう点はクルーの声を反映したのだろうか。
そういう意味では、同時に着用する「靴」についても変化が見られた。現行のスニーカーは防水性を優先したのか、甲材が合皮素材なのだが、新ユニフォームでは、メッシュ使いに変更されている。詳細は不明だが、きっとクルーの声を採り入れたのだろう。
マネユニ、クルユニ共に、キャップが変更された。あまり極端な変化は無いが、赤いラインが入ったものから、マクドナルドのマークである「ゴールデンアーチ」が小さくアクセントになったデザイン。新しいキャップは、ピンズの着用があまり似合わないかもしれない。
しかし、この系譜を見たときに、前世代のボーリングシャツタイプが、個人的にはいちばん「マックのお姉さん」感があって好きだった。明るく、マクドカラーとしてレッドが基調となっており、元気なサンバイザー姿。CREWとは、何より先に「fine」でなければならないと思う。そういう意味では少し方向性が逸れてしまったところは残念でならない。
ジェルユニはいちばんチカラが入っている
そして今回の更新でいちばん力んでいるのが「ジェルユニ」(ジェルユニフォーム)について。
客側からしてみると、見かけないユニフォームを店内で発見し、このブログにも「ユニフォームが変わったのか」という疑問からやってくるほどに、「おもてなしリーダー」とは突如現れ、私たちを驚かせる存在だ。そして白いシャツに赤いスカーフ、完全廃止されていたキュロットスカートでドレッシーな装いは、今までのマクドナルドの店員というイメージを壊すインパクトを与えたことだろう。
私個人の印象は「JALのキャビンアテンダント」だ。
赤と紺のデザインベストに、スカーフを巻き、金バッジだ。パンツスタイルとキュロットを選べるというピース展開も他のタイトルを圧倒している。つまり優遇されている。
これだけジェルユニに力むのは、まさに今のマクドナルドを物語っている。このブログでも再三唱えてきた“EOTF”(Experience of The Future)という新しい店舗体験を創造する取り組みの中で、いちばん根幹となっているのが、このユニフォームを着用する「ジェル」の存在が大きいからだろう。いちばん客に近いからこそ、ユニフォームで魅せる、そして「着るホスピタリティ」を具現化する。それは今のユニフォームから消えた「華」を持ってきたことで返り咲いた。このユニフォームはやや大仰さこそあるものの、今回の更新でいちばん評価したい。
スタユニは現在リリースの話すら無い
今回のユニフォーム更新の中で、悲しい話もある。
通称「スタユニ」(スターユニフォーム)だ。
そう、画像に新デザインが載っていないが、現時点で発表や運用が無い。そして事前にも全国に配信されたのは「STAR廃止」という衝撃的な情報だった。
今の今で、「STARは継続される」ということを信じているSTARも多いようだが、残念なことにそれはきっとあり得ない。今、会社が「STAR無くなるんだって」などと口にしてしまうと、プライドをかけて頑張ってきたSTARたちは、きっと辞めてしまう。そんなことが起きるとマクドナルドの4割近いレイバーを失うことになり、一気に経営危機に追い詰められる。だからこそ、今は少しだけ可能性があるようなことを仄めかして、STARたちの気持ちを釣っている。
新ユニ実運用の店舗では、STARは現行の赤いスタユニを着用していた。間に合っていないとか、生産が遅れているのではない。そもそも誂えていないのだ。
それにしても、前世代、いやその前の世代、その前…スタユニとは、マクドナルドでのアルバイトを始めるきっかけにもなり得る、特別かつ伝統的な存在だったと思う。今でも大切に過去のスタユニを保管している元クルーもたくさん知っている。それだけ「分身」とも言うべきスタユニを愛でるタイトルにあって、これをナショナルに合わせる事で廃止し、無かったことにしようという今のマクドナルドの政治は、「人に支えられている」というサラの言葉とは裏腹に、空々漠々とし、そして冷たいものがある。
早い店では、STAR廃止の情報は伝わり、GELになるかCREW Trainerになるかを確認しているそうだ。そんな状況で、スタユニが発表される確率は、限りなくゼロだろう。
全国のSTARの悲しみは計り知れないものがある。
そもそも、今までマクドナルドとは、新ユニフォームを発表する時は、盛大にPRしてきた。
それがNEWSとなり、多くのクルーや客を興奮させ、ムードが高まり、そういう話題性こそがマクドナルドと言えるものだった。今回のユニフォーム更新は、新規開店する店で率先して着用開始しているようだが、実際のところ2019年秋に、一斉更新されると聞く。新ユニフォームを起爆剤にして、慢性的な人手不足に「憧れパワー」で労働力を引き込んだり、新しくなりつつあるマクドナルドのイメージチェンジを企図し、新しいマクドナルドの客層を引き出すこともできたのかもしれない。
かれこれ二年は新ユニフォームの話題でクルーたちは騒いできたが、このデザインをどう思うのだろう。そして、”EOTF”ほか、生まれかわるマクドナルドの起爆剤となるのか。
今までは驚きと楽しさが勝っていたが、現行のユニフォームに切り替わった頃から、どうも素直に喜べない何かがそこにある。それは外でもないクルーがいちばんそれを感じているのかもしれない。
■2019年8月26日補足■
本日リリースの記事にあります通り、日本マクドナルドより公式な発表がありました。詳しくはこちらの記事をご覧ください。